北朝鮮の公教育崩壊させる「元教師」の裏ビジネス (2/2ページ)
しかし、「無償教育」であるはずの北朝鮮で、なぜ人々は高額の費用を払ってまで子どもを塾に通わせるのだろうか。
ほとんどの塾の講師は、元々は公立学校の教師だった。ところが、90年代後半からの深刻な経済難によって配給は途絶えて給料の遅配も頻繁に起こった。たまに、給料がもらえたとしてもコメ数キロ分にしかならず、とても生活できない。
そうしたなか、教師たちも家庭教師や塾の講師になって「私教育」ビジネスで生き残ることを考えたのだ。
また、公立学校の質の低下も私教育が広がるきっかけとなった。
北朝鮮の教育の柱は政治・思想教育だ。しかし、公立学校で「偉大なる首領様の幼年期」「朝鮮革命史」をいくら学んでも市場経済化が進む北朝鮮では、まったく役に立たない。さらに、教育施設もお粗末だ。金正恩氏は、「教育施設を現代化せよ」と指示を下しているが、教育現場では予算が足りずに親に費用を押し付ける
現場では、献身的に努力する教育者もいるが、あまりにも国家が教育の責任を疎かにしていることから、北朝鮮の人々が公教育に背を向けるのも無理はないだろう。