10年後・・・小型で低コストな「核融合炉」が誕生する? (2/3ページ)

A small, modular, efficient fusion plant – Massachusetts Institute of Technology
核融合においては、重水素などの物質をたいへんな高温(1億度以上)に熱しないといけない。その状態では物質はプラズマ状態(電荷を帯びたガス)になる。強力な磁場を形成することができれば、その超高温のプラズマを、核融合炉の中心に封じ込めておくことができる。逆に、それができなければ核融合炉は実現しないといっていいだろう。だから磁場の形成が重要なのだ。
そして、核融合反応の効果は、磁場の強さの4乗に比例して大きくなるという。したがって、磁場が倍になれば、核融合反応の強さは16倍になるというのだ! 今回採用される超伝導物質が作る磁場は、従来の倍の強さまではいかないものの、核融合反応を従来の10倍にまで高めるだけの強さはあるという。
■ 低コストで建造可能
現在計画されている世界最大の核融合炉はフランスに建造中のITERだが、従来の超伝導技術をもとに設計されているため、その製造コストは400億ドルにのぼる。MITが計画している新し核融合炉は、その半分の直径で、はるかに少ないコストと短い期間で建設でき、それでいて同等のエネルギーを取り出すことができるという。
また、MITが開発した新しい核融合炉は、炉全体を解体することなくドーナツ型の反応炉から核融合コアを取り出せるようにして、仕様変更を容易にしたり、ブランケットと呼ばれる部分に固体ではなく液体の材料を使うことで、劣化したときの交換を容易にしたりというアイディアが盛り込まれている。
いま世界にある核融合の実験炉はすべて数秒間しか作動できないが、このMIT開発の新しい炉はITERと同様に連続運転が可能になる。現時点の設計では、運転に必要な電力の3倍の電力を出力できるにとどまるが、これは5〜6倍に改善できる可能性があるという。