【五輪ロゴ問題】」佐野氏擁護デザイナーの“選民意識”と陰謀論 (2/2ページ)

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 だが、これについても業界内から「利権などない」という意見が噴出。一部では、200億円に上るとみられる五輪ロゴのライセンス料が佐野氏に入ってくるとウワサされたが、これは尾木ママ発のデマだった(後に自身が謝罪して発言を撤回)。ロゴの著作権は五輪の組織委員会にあり、デザイナーはコンペ賞金の100万円を得るのみだ。

「審査員が佐野氏の関係者ばかり」という情報も恣意的な側面が強く、実際に関係者に該当するのは審査員の3分の1程度とされている。デザイン賞を身内で回しあっていたとの説も、業界の規模を考えれば同じメンツばかりになるのは致し方なく、それが「利権」「癒着」といえるかは疑問だ。

必要なのは世間とデザイナー村の相互理解か

 この事態にある業界関係者は「不透明さが陰謀論を生み出してしまった」と指摘している。国家的な大事業のロゴがいつの間にか密室で決められ、それにケチがついたことで国民の不信感が爆発。当初、佐野氏がダンマリを決め込んでいたことも悪手となった。

 人間は自分の知らない分野に対して偏見を少なからず持っている。知らない部分が多ければ多いほど幻想や妄想を膨らませ、それが陰謀論を生み出す。いわゆる「世界経済は○○が支配している」「○○は秘密結社の陰謀」といった典型的なケースと同じ仕組みだ。

 図らずも、今回の五輪ロゴ問題は選考の不透明さゆえに陰謀論を生み出しやすい環境が整ってしまったといえる。だからといって、佐野氏にまったく非がないわけでもない。実際にトートバッグの件は盗用を認めているのだから、五輪ロゴについても納得のいく説明が必要だ。それをデザイナーたちが感情的な言葉で「やってないはず」と擁護し、疑惑の目を向ける一般人を選民意識丸出しで見下しているだけではデザイン業界と世間が乖離するばかりだ。

 無理解ゆえにネットで噴出する陰謀論とデザイナーたちの思い上がり。これでは噛みあうはずがない。両者の相互理解が進まない限り、今後もしばらく騒動は鎮火しないだろう。

(文/夢野京太郎)

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