教えて! 電子ヴァイオリンでキュアスカーレットの必殺技は弾けるの?

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教えて! 電子ヴァイオリンでキュアスカーレットの必殺技は弾けるの?


ごきげんよう。

トワさま覚醒で、それまで大事にしていたヴァイオリンが、やっすい見た目のプラスティックっぽい魔法のアイテムになってしまったあたりで、「なんでだよ!」と叫んだキュアコグレでございます。
 

一変してオモチャになってしまったトワさまの大事なヴァイオリン


ヴァイオリンには楽器の中でも特に強い思い入れを抱いています。理由を述べると長くなるのですが、『耳をすませば』の主人公「月島雫」の想い人「天沢聖司」たる青年がおりまして、彼が若干14歳にして「将来はヴァイオリン職人になるために、クレモナに留学するんだ」などとキラキラ光る未来を語るわけです。

馬鹿げた妄想ではなく、本気でそれをやろうとしている。そんな実直で誠実(そうな)側面を見せられて、月島雫もまた自分のやりたいこととは? と内面を見つめ直していく。『耳をすませば』はそんな少女と少年の成長の物語です。テーマ自体は非常に素晴らしく、やはり夢や希望を持ち、「自分は何になろうというのか?」という悩みを抱く思春期に是非一度見てほしい映画となっています。しかし、

大人になってからもう一度みたら全く違った見方ができた。

映画『スタンド・バイ・ミー(原題:The Body−死体−)』がそう言われるように、この『耳をすませば』もそういった作品でしょう。

大人になってから見ると、あることに気づきます。それは第三者の目から見た天沢聖司の異常性です。彼は図書館通いを趣味とする月島雫にどうしたら自分を意識してもらえるのか? というアプローチの一貫として、彼女よりはやく図書カードに名前を記入して、自分を意識させるという地味かつ綿密な作戦を実行します。

若干......いや、ドン引きせざるを得ない策略を張り巡らせ、時には偶然を装って月島雫自作の『カントリーロード』(原曲:Take Me Home Country Roads、原曲はJohn Denverですが劇中ではOlivia Newton-John版が流れます)の替え歌である『コンクリートロード』の歌詞を見つけ、平静を装いつつ『コンクリートロードはやめたほうがいいぜ』などと、悪態をつくことで彼女に強い印象を与えるという心理戦も仕掛けるのです。

この心理戦はまさに駆け引き。しかし、非常に効果的な手段とも言えます。

他人への評価というのは大きく分けて2種類。1つはシンプルな加算減算方式です。ただし、評価は一定ではありません。皆さんも人生経験の中で、「良い印象よりも悪い印象の方が目立つ」ということを感じているのではないでしょうか? コツコツと善行を積み、人気を一から高めてきた人物が、一度の過ちや印象操作にて一気に評価が落ちるということは往々にしてよくあります。天沢聖司は若干14歳にして、それを周知していたのでしょう。

映画では職員室で教師が「あの天沢医院の...」と言うシーンがあることから、天沢聖司の父は開業医であることがわかります。また、現在地球屋の主であり、天沢聖司の母方の祖父である「西司朗」と名乗る老人。戦前ドイツに留学していたことから、ひょっとしたら彼もまた医学を学んでいたのかもしれません。何にせよ、天沢家はエリートの家系であることには間違いない状況です。エリートの家だからこそ、信頼を積み上げることの長き道のりと、それが一瞬で崩れる可能性があることの絶望感を肌で悟っていたのでしょう。

故に天沢聖司は別の方法を取りました。「ゼロから積み上げるのではない、マイナスからプラスに転じるのだ」と。

評価を左右する要素の1つが加算減算方式だとしたら、もう1つは反発式とでもいいましょうか。同じ位置から落としても野球の硬球とスーパーボールでは跳ね返ってくる高さが違います。最初に強烈な負の印象を与えると、若干の善行を積んだ時に大きな反動が生まれ、一気に評価が引き上がるのです。

そう、マリオカートで後ろの車にサンダーが出やすいのと同じです。伝わりにくかったでしょうか...? もうちょっとわかりやすく言うならば、普段暴君の限りを尽くしているジャイアンが映画になってちょっと良いことをするだけで「さすがジャイアン!」となる現象です。

作戦は見事に成功します。仕組まれた運命によって彼と彼女は再会。あの時悪態をついてきた青年=天沢聖司は、実は成績優秀・容姿端麗、そしてヴァイオリン職人への夢を持つスーパー中学生です。月島雫はその天沢聖司に対してライバル心を抱きます。

フローとしては3段階。まずは「いけ好かないやつだと思っていたが、実は違った」という(1.印象の改訂)が起こり、「彼はあんなに頑張っている人なんだ」という(2.天沢聖司の基本性能についての熟知)が起こり、そして最後に「彼は頑張っているのに、自分は一体何をやっているのだろうか...」という、(3.自己への自問自答)となります。

月島雫は弱い自分を叱咤します。そして答えを出します。自分のやりたいことをやってみたい。そう「彼みたいに」と。

ライバル心から、先ゆく物へのあこがれ、尊敬。それを恋心へと昇華転換していくのです。

普通に学校で月島雫と天沢聖司が出会ったとしても、「すごい人がいるのだ」としか思わないでしょう。しかし、出会いでマイナスの印象を与えること、そしてその後すでに用意されたプラスの印象を見せること。この14歳の少年が行なったこの恐ろしい印象操作術には、ただただ感心するばかりです。意中の異性がいらっしゃる方は、ぜひお試しください。

ただし、現実はアニメのようにハッピーエンドになるとは限りません。ご注意くださいませ。ソースは、音楽をできるようになれば天沢聖司に追いつけるだろうか? と吹奏楽部に入って3年間、硬派にソロ活動を続けた僕です。

さて、若干話がズレましたが、ヴァイオリンです。「電子ヴァイオリンでスカーレットの必殺技を弾けるの?」というタイトルですが...。



弾けまーす。

この動画を投稿されているshystillgoesonさんは、他にも......



カナタとトワ様のヴァイオリンのデュエット演奏や、



変身BGMなども演奏されています。『GO!プリンセスプリキュア』の曲はヴァイオリンに映えますね。オーケストラで聞いてみたいかも!

©ABC・東映アニメーション


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キュアコグレ

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