1日2リットル以上の水はちょっと多すぎ!体にいいことホントはどっち?

消化を助けるために、食後は安静にしていたほうがいいという意見がある一方、「食べてすぐ寝ると牛になる」という諺や、食後に軽く運動などをして消化を助ける「腹ごなし」という言葉もあります。
いったい、食後は安静にすべきなのか?動くべきなのか?どっちが体にいいのでしょう?
他にも、水分はたくさん摂るべきか否か、朝食は食べるべきか否か?など、ホントはどっちが体にいいのか迷ってしまう健康情報が巷には多々あります。
そこで、健康長寿の指南書『養生訓』の著者である貝原益軒の知恵をもとにひも解いてみました。ちなみに、益軒は平均寿命40歳前後という江戸時代に85歳まで生き、『養生訓』はその前年に著したものです。なかなかこれは信憑性のある意見に違いありません。
とはいえ、現代医学ではすこし見解が異なってくるようです。
●食後は特定の病気以外「すぐに横にならない」よう心がけるべし
益軒は、食後は急に激しい運動をしてはいけないが、すぐに横なっていいわけでもなく、多少動いたほうが消化を助けることになると説いています。
ただ、現代医学では次のような病気の人は例外とします。
・肝臓病――食後しばらく安静にする必要があります。筋肉に行ってしまう血液を肝臓に巡らせるためです。 ・逆流性食道炎――食後すぐに横になると胃酸が逆流しやすくなるので、食後1~2時間は横にならないこと。 ・糖尿病――急激な血糖値の上昇を抑えるため、散歩など適度に体を動かすことが大切です。 ・高血圧、肥満、高脂血症――体に負担がかからない程度の有酸素運動がいいでしょう。健康に問題のない人は、食後すぐに横にならないよう気を付けていればOKです。
●朝食で迷ったら「お粥」がおすすめ
朝食はしっかり摂るべきという意見が主流でしたが、最近になり、内臓を休めるためにも朝は食事(消化活動)をひかえるべきといった声も多く聞かれます。
たしかに、前夜に飲み食いしすぎたときなどは、食欲もわかないので、自らひかえてしまいますよね。また実際、朝食抜きを実践したら体の調子が良くなったという声も耳にします。
これについて益軒は、「朝早くに温かくやわらかいお粥を食べると胃腸を養う」「寒い時期は最も良い」と、お粥の朝食をすすめています。お粥の朝食といえば中華ですが、たしかに、中国人は胃腸が丈夫なことで知られています。実践してみる価値はありそうです。
●1日2リットル以上の水はちょっと多すぎ
キレイな水をたくさん飲むとデトックス効果などがあるというので、ペットボトルを持ち歩いて常に水分補給をしている人がいます。一方、多く飲むのはNGという声も。
益軒は「脾胃(消化器系)は湿を嫌う。湯茶や吸い物など(水分)は控えめにすれば、脾胃の陽気が盛んに発生して顔色が美しくなる」と、水分を摂りすぎないよう言及しています。
1日2リットルの水分摂取を提唱している人もいますが、食べ物にも水分は含まれているので、飲み物だけで2リットルは多すぎと考えたほうがよさそうです。とくに心臓や腎臓に問題がある人はあきらかに負担になります。
水分を多く摂るよう心がけていて、むくみが見られるとか、胃弱、だるい、めまいがするという人は確実に摂りすぎです。自分の身体の様子をみて量を考慮しましょう。
健康法、どっちが正解なのか?というと、結局、体質やその時の状態等にもよりけりなので、白黒ハッキリとはいかないのが本当のところ。
ただ、いくら画期的と思えるような健康法であってもすぐに飛びつくのは考え物だし、過信するのもキケンです。たとえば実際、「水をたくさん飲むと体にいい」と盲信して医師の助言も受け入れず栄養失調に陥っている人もいるそうです。
ということで、今の自分の体調と照らし合わせ、ひとつの情報を過信せず、周囲の声にもしっかり耳を傾ける柔軟性を忘れないようにしましょうね。
参考
『図解雑学養生訓』(帯津良一・編著/ナツメ社)