やっぱり過酷? でも楽しい? 貧乏漫画家が体験した田舎暮らしのリアル (2/2ページ)

新刊JP

勢いが弱まってから再度確認にし行ったようだ。もちろん台風の中、外に出るのは危険なので、良い子は真似しないように。

○農業を志す人にとって過酷なのは夏よりも冬
 市橋さんが2回目の引っ越しを決意した季節は冬だった。理由は、長い冬は屋内でひたすら耐え忍ぶほかないため。豪雪地帯ではなかったものの、連日氷点下が続いて野菜の栽培どころではない。農作業ができなかったら、漫画のネタも枯渇する。地元の専業農家の人から「冬は競馬かカラオケしかやる事ねぇよ」といわれてしまい、引っ越しをして再出発を決めたのだ。

 市橋さんの紆余曲折から、よくいわれる理想的な「土いじりをしながら、豊かな田舎暮らし」を達成することがいかに難しいかが分かる。素人がいきなり「自給自足」ができるわけもなく、カップラーメンを買い込んで過ごす。また、住む家にはなぜかすでに使われていないスズメバチの巣があり、自分自身で取り除く様子も描かれている。
 しかし、そういった生活の中で市橋さんは少しずつ工夫を繰り返し、より良い生活にしていこうと必死に考え、行動をする。農作物とともに成長する彼の姿は少しずつ頼もしくなっていくように見えるはずだ。

 ちなみに、「ぼっち村」は市橋さんの漫画家人生を賭けてはじまったものだが、『週刊SPA!』9月8日号掲載の最新話では、単行本が売れなければ打ち切り、即廃村になることが編集者から明かされており、単行本内にも登場して帯のコメントも寄せている作家の伊坂幸太郎さんの顔に泥を塗る訳にいかないと市橋さんが苦しい胸の内を明かしている。
 ギャグ漫画家がその様子を連載をしながら暮らすという特殊な事情はあるにせよ、市橋さんが体験している苦難のひとつひとつは「田舎暮らし」のリアルに違いない。特に都会暮らしの読者からすれば、この本に描かれていることは新鮮に映るはずだ。
(割井洋太/新刊JP編集部)

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