弱肉強食とは言えあまりにも過酷。オットセイの子どもの目玉をくり抜き餓死させることを学習したカモメ(閲覧注意)
自然界は厳しい。生き残りをかけてそれぞれの種が様々なことを学び進化につなげていく。人間目線からすれば残酷で無慈悲極まりないと思うだろうが、食べることができなければその種は途絶えてしまうのだ。
最近頻繁に、ミナミオオセグロカモメが、ミナミアフリカオットセイの子どもの目を突いて食べるところが目撃されている。目が見えなくなった子どもは、母親を見つけることができず、ミルクが飲めなくて餓死してしまう。
カモメは後で戻ってきて、死んだ子オットセイの死体をエサとして簡単に得ることができる。生物学者たちは、こうした行為は残酷に見えるが、科学的にとってはカモメの新たな習性の発見だとしている。
カモメは、海辺で人間の食べ物をかすめ取ったり、更には泳いでいるクジラに集団で攻撃をしかけたりと、その攻撃性の高さは知られているが、新たに発見された捕食方法は人間目線から見るととても残酷なものだった。
ミナミオオセグロカモメは軽量級だがすごい捕食者だ。翼幅は127~142センチ、体重は539~1388グラム。雑食で、人間の作った埋立地によく群れて集まる。

一方ミナミアフリカオットセイの成獣は、体長2.2メートル、体重199~299キロにもなるが、生まれたばかりの子どもは体長60~78センチ、体重4.4~12キロ。生後半年頃まで、完全に母親の母乳に頼っている。母親は定期的に子供を残してエサを採りに行かなければならず、その間に子どもがジャッカルやライオン、ハイエナなどの捕食者の餌食になることもある。

ミナミオオセグロカモメが覚えた最新の捕食方法は、生まれたばかりのオットセイの子どもの目を突ついて目を見えなくするというもの。あとは死ぬのを待つだけだ。オットセイの子どもは目が見えなくなってしまうため、母親のもとへ戻ることができず、母乳を飲めないため、結局餓死してしまう。その死体をカモメがエサとしていただくのだ。

研究者によると、カモメたちは自分たちよりも大きなオットセイの子どもを仕留める方法として、比較的最近このやり方を学んだらしいという。

ほかのカモメも一緒になって襲いかかり、目の見えない子オットセイの下腹や生殖器など柔らかい部分を食べ始めるケースもある。
フロリダ州コーラルゲーブルズにあるマイアミ大学の生物学者、オースティン・ギャラガー博士らは、カモメのこうした新たな行動を報告した上で、自然界の掟とは知りつつも、子オットセイがパニックになって叫び声をあげる光景は見るに忍びないと語る。目の見えない子供は、母親を探して母乳を飲むことができず、ほかのカモメからも攻撃されてしまう。

ナミビアのドロブ国立公園の沿岸では、カモメがミナミアフリカオットセイを襲う場面はよく目撃されている。ここ数年、オットセイの数が激増し、8万頭以上が海岸線に棲みついて交尾し、子育てをしている。海岸の上空を飛び回っているミナミオオセグロカモメたちが、この有り余るほどの食糧源を利用することを学んだのだ。自然淘汰と言えばそうなのかもしれないが、残虐な方法でとなるとやはり人間が心を痛めるのはいたしかたのないところだ。

この15年で200回以上、オットセイの子どもの目が攻撃される場面が目撃されていて、その成功率は50%にのぼるという。数も多く巧みな狩りをする捕食者兼掃除屋であるミナミオオセグロカモメは、南半球の海岸線で繁殖するが、彼らはその環境の生態系の脈動のようなものに敏感なようだ。
例えば、カモメたちは定期的に、ホオジロザメに襲われたミナミアフリカオットセイの死骸のおこぼれをあさり、生き残ったものの傷ついたオットセイの傷を突いてその肉を食べたりする。

カモメは水面に浮き上がってきたミナミセミクジラの背中をターゲットにすることも知られている。くちばしで背中の皮膚を突いて大きな傷をつけ、皮下の脂肪層をついばむのだ。

クジラは餌。泳いでいるクジラを上空から襲うカモメたち(アルゼンチン)王立オランダ学会海洋研究の行動生態学者ミッチェル・ジューエルは、ある一種類のカモメがいったんオットセイの眼球のような手軽なエサに味をしめてしまうと、それを見ていたほかの種類のカモメもそうした新しい採食行動をすぐに学ぶという。
via:dailymail・原文翻訳:konohazuku