【分裂騒動】山口組と芸能界を育てたカリスマ組長の実像 (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

 ——こうした芸能・エンタメや合法的な仕事(注4)と、従来のヤクザと同じ非合法の稼業。表と裏、飴とムチ。両方を巧みに使い分け、あるいは併用して、襲名時33名だった山口組を、1980年までに11,800人を超える組織に育てあげたのが三代目・田岡一雄だった。むろんジャイアント馬場や美空ひばりが活躍する華やかな舞台の裏では、組の武闘派たちが各地の組織と血で血を洗う抗争を勝ち抜いたからこそ、なのだが。

 ひと昔前になるが、筆者は田岡一雄の長女、田岡由伎さんに話を聞いたことがある。

「周りはいろいろ言いますけど、私にとっては普通の優しい父でした。それに現在の田岡家は、山口組とは関係ないんですよ」

 山口組のある一時期をことさらに美化、理想化するつもりはない。が、港湾の労働環境を整備したり、麻薬追放運動に熱心だった三代目を語る多くの人間が、畏敬の念を隠さない。任侠とは畢竟、人間力なのだろう。

(注1)離脱した幹部…山口組から5団体が絶縁、8団体が破門された。
(注2)美空ひばりの結婚…相手は小林旭。「三代目に頼まれたら…」と、旭は後に語っている。
(注3)日本プロレス協会副会長…会長は右翼の大物、児玉誉士夫。
(注4)合法的な仕事…三代目は子分に「合法的な仕事を持て」と推奨していた。

著者プロフィール

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コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ

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