岩井志麻子が「心霊写真」撮影に成功! ラブホテル廃墟の窓で女性が片手を上げて…
岩井志麻子のあなたの知らない路地裏ホラー
「心霊写真」撮影に成功! ラブホテル廃墟の窓で女性が片手を上げて…
何の因果か、横浜のタクシー会社企画の心霊スポット巡りツアーに参加し、いよいよ担当の落合ドライバーお勧めの「ここが一番有名です」という現場に着いた。
今までの暗く寂しかった場所と違い、普通に住宅や会社に隣接していて、かなり大きな道路もすぐそばを通っている。しかし……見た目のインパクトは今までで一番だ。
閉鎖されて5年ほどのラブホテルなのだが、とにかく廃墟感がすごい。こういう場所の宿命として、肝試しの若者やらホームレスやらに入り込まれ、荒らされるのだ。
廃墟化した建物はたいてい、いわゆる事故物件だ。部屋で自殺者が出たとか、殺人事件があったとか。しかし、ここはちょっと違っている。営業中は特に何事もなく、経営上のトラブルで営業停止して廃墟になってから、死者が出ているのだ。
酒盛りしていた若者が急性アルコール中毒で死んだとか、ホームレス同士が喧嘩して殺し合いになったとか。ともあれ死者はみな男なのに、なぜかここで幽霊として目撃されるのは女性だという。
ここは、私としては感じるような感じないような微妙な感じだったが、スマホで何枚か写真は撮った。そして取材中は気づかなかったのだが、帰宅してから改めて写真を見ていて、「こ、これはもしかして」というのを見つけるのだ。
外壁に取りつけられた非常階段の、上から二番目。何者かが片手を上げて立っている姿が、けっこうはっきりわかった。
他にも所々で不気味なものが写っていて(下の写真。この画面だとちょっと見えづらいが)思わず、いろんな人に転送しまくったが、すぐに「いるーっ」「わかる」「心霊写真だよ、これ」といった返信が次々に来た。そしてみんな一様に、「これ女だ」というのだった。
それも怖いが、何人かの女友達が、「私ここ行ったことあるよ」といったのもなんだかなぁ、という感じだった。
岩井志麻子(いわい しまこ) プロフィール
1964年12月5日生まれ
A型
高校在学中の1982年、第3回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入選。少女小説家を経て、1999年『ぼっけえ、きょうてえ』が選考委員の絶賛を受けて、日本ホラー小説大賞 を受賞。 半生を赤裸々に語るトークや「エロくて変なオバチャン」を自称する強烈なキャラクターが注目を集める。
「心霊写真」撮影に成功! ラブホテル廃墟の窓で女性が片手を上げて…
何の因果か、横浜のタクシー会社企画の心霊スポット巡りツアーに参加し、いよいよ担当の落合ドライバーお勧めの「ここが一番有名です」という現場に着いた。
今までの暗く寂しかった場所と違い、普通に住宅や会社に隣接していて、かなり大きな道路もすぐそばを通っている。しかし……見た目のインパクトは今までで一番だ。
閉鎖されて5年ほどのラブホテルなのだが、とにかく廃墟感がすごい。こういう場所の宿命として、肝試しの若者やらホームレスやらに入り込まれ、荒らされるのだ。
廃墟化した建物はたいてい、いわゆる事故物件だ。部屋で自殺者が出たとか、殺人事件があったとか。しかし、ここはちょっと違っている。営業中は特に何事もなく、経営上のトラブルで営業停止して廃墟になってから、死者が出ているのだ。
酒盛りしていた若者が急性アルコール中毒で死んだとか、ホームレス同士が喧嘩して殺し合いになったとか。ともあれ死者はみな男なのに、なぜかここで幽霊として目撃されるのは女性だという。
ここは、私としては感じるような感じないような微妙な感じだったが、スマホで何枚か写真は撮った。そして取材中は気づかなかったのだが、帰宅してから改めて写真を見ていて、「こ、これはもしかして」というのを見つけるのだ。
外壁に取りつけられた非常階段の、上から二番目。何者かが片手を上げて立っている姿が、けっこうはっきりわかった。
他にも所々で不気味なものが写っていて(下の写真。この画面だとちょっと見えづらいが)思わず、いろんな人に転送しまくったが、すぐに「いるーっ」「わかる」「心霊写真だよ、これ」といった返信が次々に来た。そしてみんな一様に、「これ女だ」というのだった。
それも怖いが、何人かの女友達が、「私ここ行ったことあるよ」といったのもなんだかなぁ、という感じだった。
岩井志麻子(いわい しまこ) プロフィール
1964年12月5日生まれ
A型
高校在学中の1982年、第3回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入選。少女小説家を経て、1999年『ぼっけえ、きょうてえ』が選考委員の絶賛を受けて、日本ホラー小説大賞 を受賞。 半生を赤裸々に語るトークや「エロくて変なオバチャン」を自称する強烈なキャラクターが注目を集める。