シベリアの永久凍土で発見された3万年前の巨大ウイルスを蘇生させる研究を開始(フランス)
少なくとも3万年前のものと思われる太古のウイルスが、シベリアの永久凍土の氷床コアから発見された。そこでフランスのエクス=マルセイユ大学のジャン・ミシェル・クラブリー教授率いる研究チームはこの巨大ウイルスを蘇生させる計画を発表した。どんな危険性が潜んでいるのかを見極めるためだ。
巨大ウイルス、モルウイルス・シベリカム(Mollivirus sibericum)

古代のウイルスが発見されたのは、後期更新世の堆積物の30m下においてだ。モルウイルス・シベリカム(Mollivirus sibericum)と名付けられた本ウイルスは、2003年以降に発見された先史時代のウイルスとしては4種類目で、同チームによる発見はこれで2個目となる。直径0.6ミクロンのモルウイルス・シベリカムは巨大ウイルスの仲間入りを果たした。
研究者は研究チームはウイルスを蘇生させる際、動物や人間に病気を引き起こす可能性がないことを事前に検証する必要がある。
永久凍土が溶け始め危険なウイルスが広まる可能性

クラブリー教授によれば、シベリアは危機に晒されているという。1970年代以降、永久凍土は縮小を続け、厚みも失われてきた。気候変化からも、今後一層の縮小が予測される。
また、同地域はアクセスも容易になっており、天然資源需要から注目を集めるようにもなってきた。クラブリー教授は、深い部分の層が露出すれば、危険な新種ウイルスが広まる可能もあると懸念する。
「 大災害のレシピです。商業的な採掘が開始されれば、永久凍土の層が各地に運搬されます。鉱業などによって、そうした古い層に穴が開けられます。危険なのはそこです」
クラブリー教授は、30年前に根絶が宣言された天然痘ウイルスが復活することもありうると語る。そうしたウイルスが、モルウイルス・シベリカムと同じ方法で生き残っているのであれば、天然痘は根絶されたのではなく、表面から消えただけということになる。深く掘り進めることで、天然痘が現代に蘇る可能性を高めることになる。
研究チームは、安全な実験室条件の下で、宿主となる単細胞アメーバと同じ環境に置くことで、このウイルスの蘇生を試みる予定だという。
クラブリー教授率いる研究チームは2013年、今回と同じ場所でピソウイルス・シベリカム(Pithovirus sibericum)と呼ばれる別種の巨大ウイルスを発見し、シャーレ内で蘇生させることに成功している。

この時は、ピソウイルス・シベリカムのアメーバへの感染が確認されているが、人間や動物に対して感染力はなかった。
via:metro・Translated hiroching
追記:2015/09/17
フランスの研究チームによる蘇生の結果、人や動物には感染しないが、特定の微生物には感染しその細胞内で増えることが確認されたそうだ。
今後も温暖化の影響で永久凍土が溶けたり、北極周辺などで原油採掘が進んだりすると、未知のウイルスが出現する危険性が高まると科学者らは警告している。