「路線バス乗り継ぎの旅」マドンナの人選が微妙に80年代すぎるワケ! (2/3ページ)
■第十八回、マドンナ=野村真美
おっとここにも渡鬼の申し子が。ドラマの脇役としては欠かせない女優さん。ワザが光る職人さん、とでも言いますか。
* * * * *
3泊4日で路線バスだけを乗り継ぎ、ゴールにたどり着くかどうかを見せるだけのこの番組は、テレビ東京系列の「土曜スペシャル」内の単発企画としてはじまった。現在では固定されているメンバーは、太川陽介と蛭子能収。この2人になったのは、単にスケジュールが空いていたから、ということと、安く使えるということだけだったのだろう。プラス、レギュラー化した頃から「マドンナ」と言われるようになった女性ゲストが1人加わる。
単発企画のせいか、人気が出てレギュラー化した現在でも、番組タイトルが変わる。そのユルさはやはりテレ東のなせるわざか。
タレントがダラダラ路線バスを乗り継ぐだけのユルい番組だった第1回。最初はタクシーを使ってもOK、高速バスもOK、なんならヤラセもOKだったようだが、第2回のマドンナ・相本久美子がガチンコでやるべきと声を上げ、現在のルールとなっていった。いまやガチンコのヤラセなし旅番組として知られるようになった同番組。路線バスが使えなければ歩くしかなく、スマホで情報収集するのもNG。
ただし、人気の理由はそのガチンコさではない。蛭子の、奇矯ともいえる言動と、それに対応する太川のマジギレぶりが話題を呼んでいるのだ。バスの旅なのに「疲れたからバスに乗りたくない」と叫び、地元の名産も一切食べずにハンバーグや揚げものを頬張る蛭子。とくに、リーダーである太川が決めたルート、行動に対しての文句がひどい。「それでちゃんと行けるの~」「オレ嫌だなそれ」など、必ずぼやきを入れる。視聴者は、太川の真面目ぶった優等生発言にイラッとしながらも、蛭子に怒りを覚え、そしてマドンナを愛でるのだ。
太川からしてそうなのだが、この番組の裏コンセプトは、「芸能人再生工場」である。相本久美子、伊藤かずえ、山田まりや、川上麻衣子、芳本美代子、いとうまい子、宮地真緒……。このマドンナの人選が、テレ東の妙を感じずにはいられない。いや、やはり予算がないだけなのか。