今世紀末「平均寿命は150歳」になる?そのカギを握る物質とは (2/2ページ)
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寿命
■薬だけではなく運動や食生活も大事!
マウスを使った実験では、健康な食生活でレスベラトロールを摂取したマウスの健康状態は非常によいという結果が出ています。
マウスが肥満であまり動かない場合にもレスベラトロールは効きますが、粗食でレスベラトロールを与えられたマウスは明らかに長生きしたのです。つまり、レスベラトロールを摂取しても運動や食生活に気をつけなければいけないということ。
レスベラトールが多く含まれている飲みものである赤ワインをグラス1杯飲んでも、ほんの数ミリグラムしか摂取できません。ちなみに薬での必要摂取量は数百ミリグラム。食べもので十分に摂ることはできないのです。
レスベラトロールによる治療は、健康に生きられる時間を伸ばし、寿命末期の苦しみを減らすことが目標です。老化や病気を完全になくすわけではないのです。最後は多くの人が、心臓病などの成人病で亡くなるでしょう。
また、2050年以降に生まれた子どもたちは、80歳を超えても健康に過ごすことができ、100歳まで生きられることになります。そして今世紀末には、人々は150歳まで生きられるようになるそうです。
30歳のときに薬を飲みはじめて老化と病気を予防すれば、薬と再生医療のおかげで、寿命が伸びる可能性は高くなります。
■寿命を伸ばす薬が認可される日は?
薬で老化を防ぎ寿命を伸ばせるかどうかの研究は、始まったばかりです。少なくとも他にあと3つほど老化に関係する分子があるといわれています。老化が病気と見なされ、治験ができるどうかについて、FDAとの議論が続けられています。
最近は60歳、70歳の高齢者にも、まだ元気で仕事をしている人が増えてきました。老人とは呼べないほど若々しい人ばかりであることを考えれば、寿命は自然と伸びていく気もします。
ただ長生きできるようになったぶん、生活が苦しくなるお年寄りも増え、年老いた子どもが100歳近い親の介護をしなければならないなどの問題が起きています。寿命を延ばすと同時に、社会の側も変わっていかなくてはならないのかもしれません。
(文/スケルトンワークス)
【参考】
※Biologist predicts average life span will reach 150 by end of century-Toronto Star