【中国】反日活動が再燃…大閲兵式で加速するファシズム化 (2/2ページ)
こうした愛国思想の高まりは、同時に反日感情も高めました。世界中の国旗が掲揚されているショッピングモールで、日本国旗だけが通常は故人を追悼する時に使用される「半旗」の状態で掲げられたり、飲食店では、野菜をミサイルのような形に彫った「抗日核ミサイル」や、脳みそのような形の豆腐「日本鬼子脳みそ炸裂」などと物騒な名前がつけられたメニューが販売されている様子がSNSにアップされるなど、大閲兵式をきっかけにして中国各地で露骨な反日活動が行われました。
現在の中国ではこういった一連の流れを「愛国的」と賞賛する層と、「中共から洗脳されている」などと否定する層が対立し、ネット上では互いに激しい論議を繰り広げています。
強大な軍事力を見せつけることによる愛国心の鼓舞、対立国という「共通の敵」への批判をうながして国民たちの団結力を高めようとする中国政府の手法は、第二次世界大戦中のナチス・ドイツや、かつて中国を侵略した大日本帝国など独裁的軍事国家が行った「ファシズム」(全体主義)と呼ばれる思想とそっくりです。
かつて中国は共産主義をとなえファシズム国家と戦いましたが、皮肉にも現在の中国こそがファシズム化しているのです。大閲覧式に参加し歓声を上げる中国国民の姿は、まるでアドルフ・ヒトラーの演説を聞いて歓喜するかつてのドイツ国民のようでした。
ファシズム国家は「祖国防衛」、「世界平和」などを大義名分として戦争を行いました。そして現在の中国においても「防衛」、「平和」を名目として着々と軍備拡大、他国への侵略行為を進めています。
先日、日本で可決された安保改正法案ですが、いまだに反対し廃案を訴える人々は大勢います。ですが彼らが「話し合いで問題が解決できる」という中国こそが、前時代的な思想を持つ国家であり、日本とは比較にならないレベルの軍事国家であることは認識しておく必要があるでしょう。
著者プロフィール

漫画家
孫向文
中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の31歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。近著に『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)
(構成/亀谷哲弘)