昔は全部覚えていた! 割り算にも「九九」があるってほんと? (2/2ページ)
九九では2×2=4を「ににんがし」と覚えるのに対し、八算では、
・10÷2=5 … 二一天作五(にいちてんさくのご)
・10÷3=3あまり1 … 三一三十一(さんいちさんじゅうのいち)
となります。天は五玉を下げて「5になりました」、作は1玉をすべて下げて「なくなりました」の意味だが、ルールを知らないひとには暗号? 呪文? のような勉強だったのです。
■43進法だった「銀」の値段
八算が広まったのはなぜか? 覚えておいたほうが良いのは当然ですが、当時の税制と貨幣の単位が複雑だったため、すぐに答えが出せないと仕事にならなかったのです。
年貢に代表される税金は村など「地域」に課せられ、住民が分担して用意する必要がありました。もっとも単純なのが「人数割り」で、ひとりあたりの負担額を正確に割り出す必要があります。もし誰かが計算し「あなたの負担は〇円です」と言われても、本当に合ってる? と確認したくなるのが人情で、ミスはもちろんだまされないためにも、すぐに割り算できる能力が求められていました。
貨幣の仕組みがフクザツすぎたのも理由で、基準となる重さは、
・金 … 44匁(もんめ)
・銀 … 43匁(もんめ)
となっていたため、現代風にいえば「43グラムで1万円」のものを30グラム買います的な取引が当たり前だったので、割り算ができないと商売もままならなかったのです。
そのため八算のほかにも「四十三割」「四十四割」、16や160で割った九九も存在します。品物や時代によって基準値が変わるので、覚えるのにさぞかし苦労したことでしょう。いまでは10進法だけで日常生活に困ることはないが、暗算が速いとカッコ良い! のは確かですので、モテたいひとは八算を覚えておくといいかもしれませんね。
■まとめ
・九九の割り算バージョンである「八算」が存在した
・10÷2=5は「にいちてんさくのご」と、暗号のようなフレーズで覚える
・金や銀に合わせた「÷43」「÷44」バージョンもあった