嫌われ者のゴキブリ、実は「軍用」として注目を浴びていた!優秀な 災害救助ロボットになる可能性
暖かくなると遭遇する機会が増える「ゴキブリ」。不潔/不快なイメージから嫌われ者の代表格となっているが、生命力の高さから「軍事利用」が研究されているのはご存じだろうか?
ゴキブリは「抗菌性タンパク質」を持ち、侵入した菌をやっつける力があるので病気にかかりにくいし、体内に住まわせているバクテリアが「おしっこ」を分解して栄養分に変えるので、水や食料がない環境でも18週間も生きられる。昆虫ならではの身体能力を活かし、災害救助「ゴキブリ」が活躍する日が来るかもしれないのだ。
■抗菌たんぱく質で身を守る
昆虫をサイボーグ化して遠隔操作する。そんなSFじみた研究があるものかと疑われて当然だが、これが本当に存在する。DARPAの名で知られるアメリカ国防総省・国防高等研究計画庁の主導のもとに、多くの機関で研究されているのだ。昆虫の身体能力は驚くほど高く、自分よりも重いものを運んだり、広い範囲を飛び回ってエサを見つけることもできる。DARPAはこれに目をつけ、触角や筋肉に刺激を与える装置を使って「リモコン操作」し、捜索活動やテロ防止に役立てようとしているのだ。
なかでも注目を浴びているのがゴキブリだ。日本では不快害虫に分類され目の敵にされているが、
・病気にかかりにくい
・エサや水がなくても長期間生き延びられる
と、生命力がバツグンに強いため、サイボーグ化の有力候補になっている。ゴキブリは侵入した菌を殺すたんぱく質や、「おしっこ」を栄養に変えるリサイクルシステムを体内にもっているのだ。
ヒトの場合、白血球が侵入した病原菌を退治してくれるのに対し、昆虫は菌を殺す遺伝子・セクピロンBを持つものがいる。ゴキブリもその一つで、セクピロンBによって作られた抗菌性タンパク質が細胞膜に穴をあけて菌を殺す。菌の種類を問わずおこなわれるので「病気にならない」とも表現できる、画期的な防衛システムなのだ。
■「おしっこ」は栄養源?
ゴキブリは水やエサを与えなくても長期間生き延びることができる。なんと18週間も生存したというデータもあるのだ。
なかでもブラベラスゴキブリの生命力はきわめて強く、エサも水も与えない状態では若いゴキブリは12週で全滅したものの、成長したゴキブリは、
・水なし/エサあり … 18週で45%
・水あり/エサなし … 14週で15%
が生き延び、両方ともない環境でも18週で5%が生存した。
水もエサもない環境で5ヶ月近くも生き延びられるのはなぜか? ゴキブリは体内にブラッタ・バクテリウムと呼ばれる細菌を住まわせているのがポイントで、この細菌が「おしっこ」を分解し、ビタミンやアミノ酸などの栄養分を作り出している。国際宇宙ステーションでも「おしっこ」を水にリサイクルし、運送コストを削減しているが、ゴキブリは誕生したとされる3億年前からもっと優れたシステムを身につけていたのだ。
さらに、尿酸(にょうさん)を蓄えるメカニズムも持ち、タンパク質やアミノ酸を作るときに必要な窒素不足に悩まされることもない。人間にとっては痛風(つうふう)の原因と言われる物質でも、ゴキブリには大事な栄養源となっている。
バツグンの生命力を持つゴキブリを「操縦」できるようになれば、捜索活動も飛躍的にラクになるだろう。ゴキブリが命の恩人となる日が来るのを期待しよう。
■まとめ
・アメリカでは、昆虫をリモコン操作する研究がおこなわれている
・有力候補は、強い生命力を持ったゴキブリ
・水もエサも与えなくても、18週間も生き延びるゴキブリもいる
・体内に住む菌を利用し、「おしっこ」を栄養につくり変えている