父兄会、障害児…「今は使わなくなったNG言葉」、なぜか説明できますか?
昔は使われていて、今は使ってはならない言葉って結構ありますよね。“放送禁止用語”もどんどん増えています。でも、言葉だけを変えても、その考え方を失くさない限り差別や偏見はいつまでも残ったままです。
そして、その言葉の背景にある本質を理解していないために、何気ない会話の中で無意識に当事者を傷つけてしまっていることが結構あるんです。
今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が、“今は使われなくなった言葉”をいくつかピックアップし、その背景ついてお話します。
■昔使われていて、今はあまり使わない言葉
看護婦は、“看護師”
保母は、“保育士”
精神分裂病は、“統合失調症”
躁うつ病は、“双極性障害”
など時代とともに言い方は変わってきています。
“父兄会”は男尊女卑を彷彿とさせる言葉という理由で、ほぼ全部の保育園、幼稚園、学校が“保護者会”と使っています。「父兄の皆様……」なんて司会者が口走ってしまうと、後でひどくバッシングを受けることもあるのです。
また、片親の子に配慮して、父の日、母の日をなくし“父母の日”、両親ともおらず祖父母の元や施設で育っている子がいるからと“保護者の日”としている園もあります。片親の“片”も良しとしない風潮もあります。
でも、実際、親がいない現実は変わらず、子どもは毎日その環境で育っているので「うちにはママがいない」「うちはパパはいない。ママ一人で僕を育ててくれている」とちゃんとわかっています。言葉だけを変えて気を使っているのは園側だけの自己満足だったりします。
■障害児を「障がい児」に変えるだけでは意味がない
五体不満足の子として産まれた乙武洋匡さんはこう言い切っています。
“障害者”の“害”という字が「障害者が社会の害になっているような印象を与える」という理由から最近は“障がい者”とひらがなで表記されるようになったことを紹介した上で、「それっておかしい。表面上の字面を変えることには全く意味が無くて、障害者に対する意識や本質を変えないと意味がないでしょ」
乙武さんが仰るように、漢字を変えてみたり、単にひらがなにして言葉をいじるだけで良しとしないで、まずは人の意識を変えていくことが大切なことと言えますね。
■あなたは「自閉症」をどう捉えていますか?
発達障害の一つである“自閉症”は現在もこのまま使われています。精神疾患の代表格である“精神分裂病”が“統合失調症”と名前が変わったように、呼び方を変えてほしいという運動を起こしている人もいます。
確かに“自閉症”はネガティブな暗いイメージの言葉です。この障害名により随分と誤解が生まれています。これだけ認知されてきているのに、読んで字のごとく、“自閉=自分の心を閉ざしている”、よって“鬱みたいなもの”と未だに思っている人がいます。
また「私は若い頃自閉症だった」とか「あいつは自閉症だから付き合いが悪い」なんて平気で言う人もいます。
筆者の息子は知的障害のある自閉症ですが、ママ友から「殻に閉じこもっているの?」「鬱病みたいなもの?」「治療すれば治るんでしょ?」「もっと愛情をたっぷりかけて育てたら?」と無神経な言葉をかけられたことが何度もあります。
たしかに、自閉症者の特徴として“外界とのコミュニケーションが上手く取れない”ことが挙げられますが、そもそも病気ではないので“治癒”するわけでもなく、ましてや、親の育て方が原因でもありません。こういった誤認により、傷つく親御さんがたくさんいることを知って欲しいと思います。
いかがでしたか。
このように、世間がその特性を理解することが先決で、言葉だけを変えてもあまり意味がないと思うのです。たとえ自閉症という名称がこの先ずっと残ったとしても、世界中の誰もが正しい理解をしている、そんな時代になることが大事なのではないでしょうか。
言葉だけをいじっても正しい理解が伴わなければそれは表面的なものとなってしまいますので、正しい理解をしていきましょう。