子どもに悪影響!親が叱るときに「無意識に使ってる」脅しテクニックとは?
公園に子どもと遊びに行って、
「もう帰るよ」
「嫌だ~もっと遊びたい!」
「じゃあ勝手にしなさい」
なんてやりとりを日常しているママもいるかもしれません。
実はこのやりとり、心理学的には「“ダブルバインド(二重拘束)”の状態に子どもを追い込んでいる」と考えます。
親の命令が矛盾していて、子どもが心理的に混乱させられることになってしまうというシーンは、公園に限らず子育ての随所で発生しがちです。
今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が、親が無意識に“子どもの心を混乱させている”叱り方についてお話したいと思います。
■ついつい使ってしまう“脅しのテクニック”
子どもになんとか言うことを聞かせるために、例えばこんなことを口にしていませんか?
(1)食卓に着かないでずっと遊んでいる子どもに対して
ママが「いつまで遊んでいるの!食べないんだったら食事下げちゃうわよ」と言いながら、決して食事を下げることをしません。ようやく子どもが席に着いて食べ始めたら今度は、「全部残さずに食べなさい」と命じます。
さっき「遊んでいるなら食べなくてもいい」と言いながら、「今度は残さず食べろ」と指示を出しているのです。
(2)公園でいつまでも遊んでいる子どもに対して
ママが「いつまで遊んでいるの!もう帰るよ」と言うと、子どもは「嫌だ」と応えます。そうすると、ママは「じゃあ、勝手にしなさい。バイバイ」と言って突き放します。
「今すぐ来ないのならばあなたを置き去りにします。それが嫌ならさっさと遊びをやめてこっちに来なさい」と暗に脅していますよね。折角楽しく遊んでいたのに最後が、脅して終わる毎日……。
もし、子どもが親に言われたことをそのまま「勝手にしていい」と理解し「じゃあ、バイバイ、このまま僕はここでずっと遊んでるね」といった態度を示したら、きっとママは腕を掴んで連れて帰るでしょう。でも、この時点で親のやっている行為は指示したことと矛盾しているのです。
他にも、子どもに対して「何でも親の顔色を伺ってからしか行動できない」、「いちいち指示を求めてくる」とママは不満を持ち、嘆いていながら、「あれしちゃダメ、これしちゃダメ」とヘリコプターのように上空を旋回していたり(=ヘリコプターペアレンツ)、「危ないから止めときなさい」と“除雪車のように雪をかき分ける親(=スノープラウペアレンツ)にいつの間にかなっていたり。
子どもに”こういう子に育ってほしい”と思うことと”あれこれ口の出している言葉”との矛盾によって子どもを混乱させてる人もいるのではないでしょうか。
■ダブルバインドとは?
全く異なる命令を受け取った子が、その矛盾を親に指摘することもできず、最終的に親の言うことに従わなくてはならない状態に陥る。これにより心に溜めこむシステムが作られていくというコミュニケーションパターンで、ベイトソンという人類学者が統合失調症の子どもをもつ家族を調査する中で発見しました。
親が子どもをコントロールするために、矛盾する指示を出したからと言って、統合失調症を発症する訳ではありませんが、少なくとも“二重拘束”された子どもは一貫性のない親の指示に混乱をしてしまいます。
これを見破ることができる子どもはほとんどいないため、自由は許されず「いったい、僕はどうしたらいいの?」となってしまうのです。
いかがでしたか。
子どもを躾けるとき、脅しはいけません。シンプルに「もうご飯の時間だから食卓に着きなさい」「もう、遅いからそろそろ帰りますよ」だけに留めてください。その後に「じゃあ勝手にしなさい」と言われたら親の庇護なしには生きていけない子どもは従わざるを得ませんよ。
親は決してそんな気持ちはないのですが、子どもにしてみれば「私の言うことに従わないとあなたを見捨てるよ」と言われているのと同じなのです。“相手にわかるように伝えて待つ”親の忍耐の方が必要ですよ。
【画像】
※ nenetus / shutterstock