LEDが世界の通信に革命を起こす?

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携帯電話やPCなど、私たちにとって「通信」はもはや無くてはならない存在になってきました。
現在、無線通信に使われている方式は、目に見えない電波を利用していますが、最近ではLEDのように私たちの目に見える光を使った「可視光通信」と呼ばれるものが登場してきています。

■ 無線通信の共通点とは

スマートフォン1つをとっても、外出しているときにはLTEや3Gなどの携帯基地局を利用した方式、お店や自宅では無線LAN(Wi-Fi)を利用した方式があり、それ以外に赤外線や「おサイフケータイ」と呼ばれるような非接触ICを使った方式など、実に多種多様なものがあります。

このように無線の通信方式にはいろいろありますが、それらの共通点とはいったい何でしょうか。

答えは、すべて「電磁波」を使っていることです。波長や周波数の違いによって区別されているだけなのです。
さらには、目に見える光もこの電磁波の一種です。電磁波の中で、波長の長いものが「電波」や「赤外線」、それよりも短いものが「光(可視光線)」、さらに短いものが「紫外線」や「X線」…といった感じに分類されています。

■ LEDで変わる通信の世界

光といえば、最近よく耳にするのがLEDではないでしょうか?
電光掲示板や電球など、身近なところでも多く活用されていますので、もはや知らない人は少ないと思います。

そして、このLEDは照明やディスプレイだけでなく、通信の手段としても注目されてきています。LEDのように目に見える光を利用した通信のことを「可視光通信」といい、日本を中心に近年実用化に向けた研究や実験が進められてきました。その中には、従来の電波による無線LAN(Wi-Fi)の代わりに、LED照明を使ってPCの通信環境を提供する「可視光無線LANシステム」など、すでに商用化も始まっています。

可視光通信であれば、電磁波による精密機器の誤動作や人体への影響というのもないため、病院などの医療施設でも利用できますし、電波と違ってどこまで飛んでいるかも目で見るだけで把握できますので、セキュリティ的にも安心です。そして何より、照明器具がそのまま通信機器にもなるというのが最大のメリットといえます。

■ どうしてLEDなの?

照明器具には、LED以外にも白熱電球や蛍光灯など昔からいろいろあるにも関わらず、あえてこのLEDが注目されているのはどうしてでしょうか。

そこには、LEDが持っているある1つの特徴が大きく関係しています。
…それはズバリ点滅の早さです。

一般家庭でよく使われている蛍光灯は、50Hzや60Hz用があることからも分かるように、1秒間に50回または60回の早さで点滅を繰り返しています。

ところで、通信速度を示す単位として「bps」というのを聞いたことがありませんか?
この「bps(bit per second)」とは、1秒間に何ビットの情報量を送受信することができるかを表します。1ビットは2進数でいう1桁ですので、0または1のどちらか1つの情報を持っています。

つまり、仮に1秒間に60回点滅可能な蛍光灯を使って情報を送信する場合、蛍光灯のオンとオフがそれぞれ0と1に当たるとすれば、1秒間に60ビットの情報量を送れるわけですから、60bpsということになります。

それでは、LEDの場合はどうでしょう?

LEDは1秒間になんと1億回以上の点滅をさせることができます。ということは、1秒間に1億個(およそ100Mbps)以上のデータを送受信することが可能となるわけです。これだけの通信速度が出せれば、十分実用的に使えそうですね。

また、照明でもアピールされているとおり、使用する電力が少なくて省エネ、かつ環境に優しいという点も大きな優位性といえるでしょう。

■ まとめ

新たな無線通信手段として注目され始めてきた可視光通信。中でも、LEDを利用した通信は「可視光無線LANシステム」など、すでに商用化も始まっています。
LEDが世界の通信に革命を起こす?
可視光通信は日本発の技術として、新たなビジネスやサービスを生みだすとともに、将来的には電波に代わって世界の通信に革命を起こす時代が訪れるかもしれませんね。

(文/TERA)

●著者プロフィール
小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。

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