軽い気持ちで約束すると危険!? 口約束でも守らないと「契約違反」になるってほんと?

学生の窓口

日常生活のどこにでもある「口約束」。お酒の勢いで「今日はオレのおごり!」なんて言ったのに、高すぎるので割り勘でお願い……なんて話もときどき耳にします。

書面もない口頭だけの約束は守らないといけないのでしょうか? 約束を破ればモラルに反するのはもちろんですが、法律的にもNGな行為で、口頭だろうが相手も合意した時点で契約完了。約束通りおこなわなければ「契約不履行」になってしまいます。酔った勢いで景気の良いことを言ってしまうと、あとで後悔するハメになるので注意しましょう。

■口頭でも契約成立

ものの売買は書面でやりとりするのが一般的で、ネット通販では電子データによって、

 ・買うひと … なにをいくつ購入する、支払い方法など

 ・売るひと … 注文を承りました、的な返信

がおこなわれた時点で「契約」が成立します。品物や数量を間違えた、急に要らなくなった場合、出荷前ならキャンセルできるショップも多く存在しますが、これはあくまでサービスの一環。「承りました」メールのあとは、買い手都合のキャンセルを断っても、法律的にはまったく問題ありません。

書面や電子データもない、口約束だけの契約はどうなるのでしょうか? 注文書がないからキャンセルOK!と思ったひとは残念…口頭で伝えただけでも、相手が了承した時点で契約成立となるので、キャンセルや変更はできません。

身近な例をあげると、

 ・レストランで料理の注文

 ・コンビニで「おでん」を買う

は口で伝えるだけで注文完了、もし「注文書を書いてください」と言われたら逆にびっくりするでしょう。

日本では売り手/買い手の「意思」が重要で、合意すれば契約成立、これを「意思主義」と呼びます。注文書や契約書がなくても、遂行しなければ民法・415条(債務不履行による損害賠償)などに発展する可能性もありますので、とくに酒席では「大口」を叩かないほうが良いでしょう。

■やっぱり「あげない」はOK

「あげる」「もらう」はどうなるのでしょうか? これにも意思主義を当てはめれば合意した時点で成立、になるはずなのですが、贈与の場合は別ワクで、気が変わったからドタキャン!が許されているのです。

無償で「あげる」行為は贈与(ぞうよ)と呼ばれ、

 ・民法・549条(ぞうよ) … 無償であげると伝え、相手が承諾すれば成立

と定められていることからも、一種の「契約」と表現できます。

ただし、続く民法・550条では、

 ・書面で約束していない場合は、どちらからも撤回できる

 ・すでに「あげた」ものは撤回できない

と記され、あげるひとはもちろん、もらう側の「やっぱいらネ」もあり。ところがメモ書きでも「私の○○をあげます」的に記せば、「あげるのやめた」はナシで、絶対に渡さないといけないのです。

売買とは異なり、もらう側は対価を支払わない贈与では、あげる側だけが責任を負うかたちになり、不公平ともいえます。そこで「あげるって言ったけど…」と惜しくなったときは撤回できる、一種の救済措置が盛り込まれているのです。

ただし、すでに「あげた」ものは撤回できませんので、やっぱり返しては通用しませんし、期待外れのものをもらったとしても「返す」もできません。くれたひとには気の毒ですが、もとをたどれば労せず手に入れたのですから「要らねぇ」ときは自分で処分してもバチは当たらないでしょう。

■まとめ

 ・口約束も、契約として認められる

 ・お店で「きゅうり3本ください」も同様で、書類よりも「意思」が優先される

 ・契約書や注文書がなくても有効。合意したら義務を果たさなければならない

 ・無償での「贈与」は例外。口約束だけなら「やっぱあげない」が認められている

(関口 寿/ガリレオワークス)

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