モニュメンツ・メン財団代表・ロバート・M・エドゼル「芸術なくして、人生はなし」~芸術を愛する人間力 (2/2ページ)

日刊大衆


そして、別れ際にその方は、"あなたが来るのを僕はずっと待っていました"と言ってくれたんです。その10日後に彼は亡くなってしまった。
後から、息子さんたちに聞いたんですが、私と会った後に"もう別れの準備ができたから、挨拶においで"と言っていたそうなんです。その出来事があって、私自身、運命を感じましたし、日本でいえば、タスキですかね、それを私が受け取ったわけですから、最後までやり遂げなければならないなと強く思うようになりました。
そうやって、調査を続けたものが、今回、映画『ミケランジェロ・プロジェクト』として世界の人たちに知ってもらえるのだから、これほど嬉しいことはありません。
私は、芸術なくして、人生はなしと思うんです。仕事をして、家族と過ごして、また仕事をしてと、それだけが人生だったらどんなに退屈なことかと思います。芸術作品に触れることで、今までの努力が報われたと感じることもあるでしょうし、なにより芸術は人を謙虚な気持ちにさせてくれる。
例えば、日本で、1000年以上の歴史を持つ陶器を手にしたら、自分が叶わない過去の先人たちの存在を知り、世界の大きさを感じる。その作品を作るのに、どれだけの壁を乗り越えたのだろうかと、その過程を考えるとグッとくるはずです。つまり、芸術は人生にとっての彩りなのかなと、また、そんな芸術を現代でも鑑賞できるために、多くの人たちの人知れぬ活躍があったことを知ってもらえたら嬉しいですね。
撮影/弦巻 勝
ロバート・M・エドゼル
1956年12月28日、アメリカ生まれ。テニス選手として活躍した後の81年に石油とガスの探鉱会社を設立。社員8人から100人近くの会社に成長させ、95年に会社を売却し、ヨーロッパに移住。『モニュメンツ・メン』の調査を開始。その調査が結実した書籍『ミケランジェロ・プロジェクト』は、全米批評家協会賞を受賞。その他にも多くの慈善活動に携わり、米最高の人道支援表彰である『NationalHumanities Medal』を受賞。現在も『モニュメンツ・メン財団代表』として世界を舞台に活躍を続けている。
「モニュメンツ・メン財団代表・ロバート・M・エドゼル「芸術なくして、人生はなし」~芸術を愛する人間力」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る