ウルトラマンもステージに登場!「ウルトラマン シンフォニーコンサート2015」 (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

 一方、冬木は円谷プロ2代目社長・円谷一から突き付けられた難題について振り返る。

「当時はCGなんてものも無い中、社長から『テレビの画面で宇宙の大きさを表現するのは不可能だから、音楽でそれをやってくれ』というような注文を戴きまして……これは大変なことになったなぁと」

 今聞けば仰天するようなエピソードの数々である。なお、この回のメドレー内で演奏された「ワンダバ」にも指揮者のこだわりが。再び指揮者・矢澤の言葉だ。

「ヴァイオリンのボウイング(運弓法)を変えているんですよ。ふつうは弓をダウン・アップと繰り返して弾かせるが、それでは『ランターカターカ』と間延びしたような演奏になる。すべて力が入れられるダウンのみの運弓を行うことで、『ワンダバダバ』とキレのいい演奏につながっている」 これも“オーケストラが歌う”ための工夫の一つである。

「監督さんの顔が見れない……」恥ずかしがりやのアンヌ隊員登場

 休憩時間を挟んで、第二部のオープニングでは『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンタロウ』やアニメ作品『ザ☆ウルトラマン』を含む、昭和ウルトラマン主題歌メドレーが演奏された。

 続く平成ウルトラマン主題歌メドレーの間に、再び司会陣が登壇。ゲストには『ウルトラセブン』のアンヌ隊員役・ひし美ゆり子が登場。

 ひし美「私、けっこう主題歌を口ずさめるの。『エメラルドー』とか」桜井「単語だけじゃん」

 鋭いツッコミが入り、元・女性隊員同士の止まらないトークが始まった。過去の苦労話の際には、こんなやり取りが。

 ひし美「現場では、いつも監督さんの顔が見れませんでした。ちょっと怠け者で、勉強もしなかったし、芝居に自信がないから……。そのへんは桜井さん、お上手だけど」桜井「まーどうもありがとう! 漫才やってるわけじゃないのよ~。そろそろ終わりましょうか!」

 楽団背後のモニターには、それぞれの楽曲と共に各作品のオープニング映像が表示された。主題歌なので、昭和・平成共に歌詞まで表示されるこの回。指揮者は映像の雰囲気だけでなく、歌詞の切り替わりにも演奏を合わせなければならない。 指揮者・矢澤はのちに「(タイミングなど)すべてわかってやってたら、仕事みたいになっちゃう。合うか合わないか、ぎりぎりの臨場感が良かった」とも語った。

 この回で特に筆者が印象に残っているのは、ウルトラマンガイアのサビ「ピンチの ピンチの ピンチの連続 そんな時 ウルトラマンがほしい!」の箇所。木管楽器の音に金管楽器がかぶさる形でコーラスする様子は、まさに“オーケストラが歌っているよう”だった。

「ウルトラマン交響曲」。そしてアンコールは、観客全員で大合唱!

 最終演目は、「ウルトラマン交響曲(忍び寄る恐怖~勝利まで)」。流れる映像でも起承転結が作られ、15分にも及ぶ超大作なのにまったく飽きを感じさせない構成になっていた。怪獣が現れ、化学特捜隊が出動しても何ともならない所にウルトラマンが登場。ピンチに陥るも最後には怪獣を倒す、という一連の物語に、壮大なオーケストラが見事に重なった。

 演奏終了後、MCの桜井も「最後ね、泣いちゃって残念です」と語る。 アンコールでは、すべてのゲストと共に、ウルトラマン・ウルトラセブンまでも登壇。コンサートマスター岩村聡弘に、今回のコンサートを記念して作られた世界にひとつ、いや、宇宙にひとつの『ウルトラヴァイオリン』が手渡され、「マイメモリアルウルトラマンシンフォニー」が演奏された。

 このアンコール演奏では、観客も一緒に歌えるだけでなく、写真や動画などの撮影も特別に許可。商用にならない範囲の利用・YoutubeへのアップロードのみOKとされた。 実際、今回の来客の中には「Youtubeで過去の演奏を見て訪れた」という方も。今回の演奏も、すでに数々SNSなどで拡散されている模様。また新たなファンを引き込んでいくことに違いない。

宇宙に一台! 78万円の“ウルトラヴァイオリン”って?

 コンサートにも登場した『ウルトラヴァイオリン』について補足しておこう。ボディの中心にカラータイマーが平面で描かれているほか、実はヘッド部分のスクロール(カタツムリのように渦を巻いた箇所)にも、片方だけに立体のカラータイマーが。

 また、ボディ下部分にはウルトラマンのシルエットが施され、弦はスペシウム光線に見立てられている。78万円(税別)という値段は、ウルトラマンの故郷であるM78星雲にちなんでいる。会場では抽選が行われ、ペンネーム・バンビさんが見事これに当選した。

会場には『ウルトラマンX』の主題歌を歌う歌手の姿も!

 最後に観客の声を紹介しよう。 42歳の女性は、旦那さんの影響でウルトラマン好きになり、5歳の息子さんと共に今回の舞台へ来場。息子さんはウルトラマンセブンが大好きらしく、「序盤でセブンの曲が聴けてよかった」と満足した様子。またSS席限定でウルトラマン・ウルトラセブンと一緒に写真を撮影できる特典もあったようで、息子さんもそれを自慢げに話してくれた。

 続いて、28歳の男性二人組は、小学校からのウルトラマンファン。お互いの家に行き来し、往年の作品も数多く観合った仲だそう。今回の映像で流れた怪獣の名前も、すべて覚えていたとのこと。 「オーケストラなんて合唱コンクール以来だけど、映像もあったから楽しめました」 なお今回のコンサートは円谷プロの公式サイトから知ったものの、申し込んだときSS席はすでに完売していたらしい。「次回はぜひSS席で!」と熱く語ってくれた。

 また、会場には現在放送中の『ウルトラマンX』の主題歌を歌う瀬下千晶の姿も。 「今回の演奏は、やっぱり自分が歌っている『ウルトラマンX』のテーマが目当てでした。毎週火曜の6:00から放送中ですので、ぜひ観てください!」 「見逃したらYoutubeの円谷公式チャンネルからも観れます!」 共にその場にいた彼女のファンである女性からも、重ねてしっかり宣伝されてしまった。

 実はウルトラマンについて、そこまで深い知識があったわけではない筆者。しかし映像と共に魅せられた今回の舞台では、ファンじゃなくても心を揺さぶられるものがあった。 最新のウルトラマンも、往年のウルトラマンも、まったくつながりのない独立した存在ではない。みなすべてウルトラの兄弟。円谷プロの長年の歴史をその大きな体に宿しながら、後の時代に脈々と受け継いでいっているのだ。

 次回のコンサートはいつ開催になるのだろうか。そのときまでにこれまでのウルトラマン作品をしっかり予習し、また会場へ足を運ぼう。

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(取材/平原学)

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