安倍外交は北朝鮮が仕掛けた「ワナ」にはまる (2/2ページ)
だったら、日本側は遅れている拉致問題の調査報告を強力に要求すべきだ――そういう意見もあるかも知れないが、北朝鮮側は「報告書はもう出来ているのに、日本側が受け取ってくれない」ということを様々なチャネルで言いふらしている。
つまり、安倍政権は拉致問題で動けば動くほど、手詰まり感が浮き彫りになるデッドロックにはまってしまうわけだ。
日本側にも、反撃の手立てはないわけではない。
たとえば東京新聞がスクープした、拉致実行において「抵抗したら殺せ」との内容を含む北朝鮮の内部文書だ。これはもちろん、日本政府も入手している。拉致問題を刑事事件として捜査・認定している日本の仕組みの中で使うには証拠として適切ではないかもしれないが、国連などに北朝鮮による人権侵害の資料として提出すれば、信ぴょう性が客観的に認定されることもあり得るだろう。
そうすれば、北朝鮮の拉致犯罪と対決する日本外交への国際的支援はより強力になる。
ただ、こうした資料も、ただ国連に提出すれば良いというものではない。それがどういった性格のもので、何を意味しているかを十分に説明する必要がある。
結局のところ、重要なのは対北情報戦の能力であるということだ。日本政府はもう二度と、海外にも名前の聞こえた凄腕スパイを飼殺しにするようなことをせず、インテリジェンス能力を磨くべきだ。