障がい児をめぐる問題…「生まれてきたら大変」発言にどう向き合う?

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障がい児をめぐる問題…「生まれてきたら大変」発言にどう向き合う?

先日、茨城県教育委員の長谷川智恵子氏の「障がい児を出生前診断などの技術を使って早めに見つけて減らせる方向に持っていけないか」といった主旨の発言が、大変な批判を浴びたというニュースがありました。

今回は、自らも障がい児を育てている『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が、障がい児に対する理解についての見解をお伝えします。

■問題発言に至った経緯

茨城県の教育施策を話し合う今月18日の県総合教育会議の席上で、長谷川智恵子氏が障がい児が通う特別支援学校を視察した経験を話すなかで、このように言いました。

「妊娠初期にもっと(障害の有無が)わかるようにできないんでしょうか。4ヶ月以降になるとおろせないですから」

「ものすごい人数の方が従事している。県としてもあれは大変な予算だろうと思った」

「意識改革しないと。生まれてきてからでは本当に大変です」

「茨城県はそういうことを減らしていける方向になったらいいなと」

(2015年11月19日付の毎日新聞記事からの引用)

そして、これに対して知事もこの発言を容認しました。

■あなたも障がい者になるかもしれない

出生前診断でわかる障害は染色体異常・二分脊椎・特定の遺伝性疾患などの一部の障害です。視覚障害や聴覚障害や人口の6%を占めるといわれている自閉症などの発達障害はわかりません。

また、出産時の事故で脳性まひになることもあれば、普通に問題なく生まれてきても交通事故にあったり、病気をして脳にダメージを受けて障がい児になる可能性もあります。

そんなとき「あなたの子どもの存在は大変な税金がかかり迷惑をかけている。最初から生まれていなければよかった」といった発言をされたらどのように感じるのでしょうか。

親自身、将来、事故や病気になって障がい者になる可能性だってあるのです。

■障がい児は迷惑?

障がい児がクラスにいると確かに周りに迷惑がかかるかもしれません。筆者もママ友からあからさまに「○○さんのお子さんがいるので、うちの子が授業に集中できない」と言われたこともあります。

また、どうしても水泳を習わせたくてスイミングスクールの体験に行ったときも、プールサイドで走り回る息子を見てコーチに「お母さま!こんなお子さんが他の子ども達と一緒に出来ると思っているのですか。もう少し自分のお子さんの状態を見てください。他の大勢の方に迷惑がかかっているんです。スクール側は一人のお子さんだけを見ている訳ではないのですから」と、体験授業にのこのこと出かけて行ったこと自体を責められました。

この言葉を言われ、筆者としては“最もな事実”だと思いました。「自分の子どもだけのことを考えて」の我を通す自分を反省しました。

ただし、迷惑をかけることはあっても、“最初から生まれていなければよかった”といったような発言はいかがなものでしょうか。

■問題は「しかるべき立場」の人が発言したこと

出生前診断を受けてお腹の子が障がい児だとわかったら中絶する人が90%いる現実があります。

「障がい児を育てていくことがどうしても出来ない」

「将来、下の子に障害があることで、上の子の結婚が破談になるかもしれない」

「親亡き後、他の兄弟に大きな負担がかかると思う、障がい児とわかっているお腹の子を産むわけにいかない」

このように悩み苦しむ人に、“産まない”という選択ができるようになりました。この検査が認められていることはそれ自体を容認していることなのですから、中絶した親にあれこれと批判をするべきではないはずです。

筆者は今回の発言の問題は、“しかるべき立場”の教育委員の行政の人が公の場で自分の本音を発言したことにあると思います。しかも県のトップである知事もこの発言を容認したことが問題です。

いかがでしたか。

この問題は結果として、暴言が過ぎたため長谷川智恵子氏は発言を撤回・謝罪し、発言をした2日後に橋本昌知事に辞職を申し出るという結末に終わりました。けれど、発言者を消し去ってそれでその問題自体が解決するわけではありません。

とても根深い問題ではありますが、皆が障がい者への向き合い方について自分事として考えてみることが大切なのではないでしょうか。

【参考】

※ 障害児の出産:「茨城では減らせるように」教育委員が発言 – 毎日新聞

【画像】

※  Denis Kuvaev / PIXTA

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