21世紀は武器の戦争から情報の戦争へ (2/2ページ)

新刊JP

その上で、国に対して、軍事予算を上回るような情報予算をつけること、および日本人ひとりひとりが不利益をかぶらないように「情報戦に勝つ努力をしていくのでなければ、国家がその役割を果たしたことにはならない」と述べている。

■氾濫する情報社会をどう生き抜いていくか
 さらに、このようにさまざまな意図によって情報が氾濫する社会においては、個人が惑わされたり、騙されたりせずに情報を選び取る能力も重要になってくるという。本書では、情報の受け取り方についても指南をしている。
 「文章の書き方が上手で、その論理の組み立てに説得力があれば、読む側は疑うことをしない。簡単にその文章を信じてしまう。その結果、惑わされ、騙される」(本文より)
 「上手で説得力のある文章に接したら、鵜呑みにせず、気をつけたほうがいい」(本文より)

 タイトルにある『情報』という言葉。その定義として、本書はマーク・ポラットによる「集められ、整理されたデータ」を採用している。この定義によれば、情報の次のステップが知識、すなわち「消化され理解された情報」である。
 「教わったとおりにしていたら、いつまで経っても、情報リテラシーは身につかない。まずは、情報についてもっと知る」(本文より)
 このように、本書はまさに、読んでいく中で情報が頭の中で知識として結実していく一冊である。600ページ超という大著だが、一つ一つの項目については、硬派な主張もあれば、ユーモアあふれるエピソードもある。これらは著者の実体験や豊富な知識にもとづいており、興味のあるテーマや気分次第で、気軽に読み進めていける。
 ぜひ手にとって、「情報」について考えるきっかけにしてはいかがだろうか。
(新刊JP編集部)

「21世紀は武器の戦争から情報の戦争へ」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧