紅白歌合戦“ドラマチック歌姫”の60年史!【<93年第44回>「男」久宝留理子】 (2/2ページ)

アサ芸プラス

あとで手のひらの歌詞を見たら、しっかり汗でにじんでいました(笑)」

 まさに大舞台の上にいた人間だけがわかる臨場感だ。その他にも、「同じ初出場組の天童よしみさんとは関西出身つながりでお話をさせていただいた記憶がありますが、あとは誰としゃべったかもまったく覚えていない」とも言う。

 そんな思い出深い紅白初出場であるが、その価値は十二分にあったようだ。

「おじいちゃんから子供まで観る番組ですからね。スタッフ間では、『男』をこう売っていこうという戦略があったので、紅白出場は何よりも達成感が大きかったです。デビューから3年たっていたし、地元の神戸ではメディア出演が少ないと『何してるの?』みたいな感じになっていた。私、小さな頃からいつも家で歌っていたので、近所の人にうるさいと言われたこともあったみたいで。でも、紅白に出たら、『やっぱりそこまでいくと思ってたわ、上手やったもん』って(笑)」

 典型的なエピソードではあるが、これも紅白ならでは。今も久宝は、紅白と「男」には感謝の念が強いという。

「この間、音楽番組で(嵐の)櫻井翔くんに『男』をよく聴いていました! と言われて。私の娘が櫻井くんのファンなので、いっそううれしかったですね」

 彼女のパワフルな初紅白が、名曲が歌い継がれる要因になったことは間違いあるまい。

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