実は理由があった! 「悔し涙」がしょっぱいのはナゼ?

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青春ドラマで定番の「悔し涙」。悔し涙は「しょっぱい」なんて言われていますが、科学的にも本当なのはご存じでしょうか? 涙の大部分は水で、成分と呼べる物質はたったの2%しかありませんが、怒りや悔しさを感じたときはナトリウムが増えるため、しょっぱく感じるのです。

眠くなると目をこするのは「涙」を出すため、歳をとると涙もろくなるのは「鼻」に流れる量が減るからなど、涙にはフシギな性質がたくさんあるのです。

■うれし涙は水っぽい?

涙は異物を洗い流すのと同時に目の乾燥を防ぐのはご存じでしょう。いわば目のバリアのような存在ですが、1日に流れる量は子どもが1.5ミリリットル、おとなは1ミリリットル程度しかありません。目の表面での厚みはたったの1/100ミリ程度しかないのに、

 ・油性層 … 0.0005ミリ

 ・水性層 … 0.005ミリ

 ・ムチン層 … 0.0005ミリ

の3層を成し、糖とタンパク質でできたムチンが涙を均等に伸ばしたり、傷の修復をしています。さぞかし特殊な液体に思えるかも知れませんが、およそ98%は水。ムチンのほかに含まれるナトリウムやカリウムを合計しても、「涙の成分」といえるような物質は2%ぐらいしかありません。

「悔し涙」はなぜしょっぱいのでしょうか? 目を保護するために流れる涙に対し、感情の起伏による涙は情動性(じょうどうせい)分泌と呼ばれ、ナトリウムが多くなる傾向があります。これは血管から涙腺(るいせん)に移動する水分が減るのが理由と考えられ、つまりは「濃い」涙になっているのです。対して「うれし泣き」や感動のあまりに流れる「感涙」は水分が多いため「薄味」で量も多くなります。

感情によって涙の味が変わる理由は、

 ・怒りや悔しさ … 交感神経が活発

 ・喜びや感激 … 副交換神経が活発

ですが、じつのところ、詳しいメカニズムはナゾのまま…いずれにせよ交換神経か副交換神経が活発になること自体がストレス発散につながるので、思いっきり泣く機会を作ったほうが良さそうです。

■弱くなるのは「鼻涙管」

眠くなると目をこするのも「涙」が理由で、目を刺激して涙を増やそうとしているのです。

眠気を感じると自然と涙の量が減り、軽いドライアイ状態になります。目がショボショボするのもこれが理由で、涙の減少によって違和感が起きるのです。このときに自然と「目をこする」のは、目を刺激して涙を出そうとしているからで、このメカニズムを知らない赤ちゃんやちびっ子には顕著にあらわれます。

歳をとると「涙もろくなる」のは本当でしょうか? 涙腺が弱くなったとも表現され、感受性が高まったように聞こえますが、これはかなりビミョウ。ほとんどの場合は涙が「鼻」に流れにくくなり、「目」からあふれやすくなっているだけなのです。

涙は目から流れるだけでなく、鼻につながる鼻涙管(びるいかん)を通じ、鼻からも排出されます。大泣きすると鼻水が大量に出てくるのもこれが理由です。ところが、日本人の鼻涙管は西洋人よりも細いので、目からあふれる割合が多く「涙もろい」民族。ただでさえ細い鼻涙管は、高齢になるとさらに細くなったり、なかにはつまってしまうひともいるため、今までは鼻に流れていた涙が目からあふれ「涙もろくなった」と勘違いされているのです。

「弱くなった」と表現するなら「鼻涙管」のほうが正解といえるでしょう。ただし「歳をとると涙腺が弱くなってねぇ…」なんて話に水をさすのも無粋ですから、鼻涙管の話はしないでおきましょう。

■まとめ

 ・目の表面の涙は、たったの1/100ミリの厚みしかない

 ・ネガティブ感情で交換神経が活発になると、涙は「濃く」なりしょっぱく感じる

 ・「感涙」は水分が増え、薄い涙が大量に出る

 ・日本人は涙を鼻に流す鼻涙管が細いので、生まれつき「涙もろい」

 ・高齢者の「涙腺が弱い」は、多くは鼻涙管が原因

(関口 寿/ガリレオワークス)

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