低所得者ほどカロリー過剰摂取…1日5000kcalな食生活 (3/3ページ)
子どもが過度に太っていればネグレクトとみなす
こうした高カロリー摂取は大人だけでは済まない。生活保護受給者層ではその子どももまた大人と同じくジャンクフードにみられる高カロリー食品を摂取している。肥満傾向は増すばかりだ。大阪市子ども相談センター関係者は次のように証言する。
「小学校5年生児童で身長は140㎝ですが体重は55㎏という子がいました。もちろん虐待とかネグレクトではない。話を聞くと食事はファミレスかマクドナルドのハンバーガーばかりです。まずはカロリー面からのケアが大事と判断しました」
児童相談所では現在、大人とまったく同じカロリーを摂取させるのも、「ネグレクト(育児放棄)」とみなすという。冒頭部で紹介した大阪市役所の職員が“太っている来所者”の印象をこう語る。
「太っている。つまりカロリー計算ひとつしない。これは金銭管理も出来ないことを現します。子どもがいること。これは自分の生活水準を考えず出産する、つまり避妊もしないわけです。すべての生活が無計画ということがわかります」
今、日本、アメリカのホワイトカラー層では肥満、喫煙は、「自己管理できない」ことを現す指標とされている。都市銀行勤務の女性(35)が語る。
「禁煙は当然です。1日の摂取カロリーは1200kalに抑えてます。休日のジム通いはかかせません。健康であること、それが行内、ひいては社会人としての評価につながりますから」
この女性によると、今、都市銀行では太っている男性は管理職に就けず、若くして関連会社に出される傾向があるという。続けて都市銀行勤務女性が語る。
「都市銀行の頭取職を見て頂ければわかります。太っている人はいませんよね? 太っていること、それは自分を律することができないとみなされます。自律していない人を金融機関の管理職には据えられません」
もちろん生まれながらにして肥満体質の人もいる。だがそれでも太っていることは、「自己管理出来ていない」ことを表に出すようなものだ。
「経済的に自立している人は、自分を律することができる。だから太らない。でも、自分を律することができない者は経済的にも自立できていない」(大阪市生活保護担当者)
経済的自立と社会人として自律できているかどうか。ここを見極める鍵が、今、肥満かどうかであることのようだ。太っているだけで社会人としての信用にかかわる時代の到来だ。
- 川村洋(かわむらひろし)
- 1973年大阪府生まれ。大学卒業後、金融業界誌記者、地元紙契約記者を経てフリーに。週刊誌や月刊誌で活躍中