「赤ちゃんの顎がひっこんでる理由」と顎の発達に良いコト5つ
産後、初めてわが子に会った瞬間はママにとって忘れられないものです。どことなく自分達に似ている、その小さな可愛らしい表情に、感動したことと思います。
赤ちゃんは、お人形のように可愛らしい顔をしていますよね。キューピーちゃんのように顔のパーツが集まっていて、よく見てみると顎もひっこんでいます。
では、「どうして赤ちゃんの顎はひっこんでいるの?」と疑問に思うママもいるのではないでしょうか。
そこで今回はママ歯科医である筆者が、赤ちゃんの顎の成長過程と顎の成長を促すためにしたいことについてお伝えします。
■赤ちゃんの顎の成長過程
赤ちゃんをパッと見たときに、頭が大きいなぁと感じませんか?
新生児は顔(顔面頭蓋)に比べて脳の入っている脳頭蓋が約8倍も大きいためです。生後、顔の成長量が脳頭蓋よりも大きいため、その比が、新生児で1:8だったのが、2歳で1:6、6歳で1:5、20歳で1:2くらいになります。
頭部の成長は早い時期に完成して、顔面が下前方へ向かって成長するため、なんとなく顔が伸びてきたように感じるのです。
身体を作っている臓器は、それぞれ異なった成長発育をします(Scammonの臓器発育曲線)。
代表的な4パターンのうち、顎の成長に関係する2パターンを説明します。
(1)神経型:脳や脳頭蓋骨など、出生後から急激に成長し、6歳頃に成人の90%まで発育します。ピークは8歳頃で、思春期にかけて著しい進歩を示します。
(2)一般型:身長のように、成人まで年齢とともにほぼ一定の成長発育がみられますが、生後4歳頃までと、14~16歳頃の思春期に著しい成長がみられます。このパターンは骨格などが示し、具体的には身長、体重、顔面頭蓋、顎骨などが含まれます。
つまり、赤ちゃんの顎がひっこんで見えるのは、頭部に比べて顔の成長は遅いことと、顔面頭蓋と顎骨が乳幼児と思春期に著しく成長する前の姿であるためなのです。
■子どもの顎の成長に良い5つのコト
(1)よく噛んで食べる
前歯も奥歯も使い、よく噛んで食べましょう。離乳食の時期は無理せず、成長に合わせた形状で、様々な味を体験させてあげましょう。乳歯が生え揃う3歳頃からは、野菜スティックのような噛み応えのある食材を取り入れましょう。
(2)おっぱいがオススメ
おっぱいは哺乳瓶よりも吸う力が必要です。唇や舌もよく使い、顎の成長によい影響を与えると考えられています。
でも母乳はママによって出る量も違います。ミルクが必要な場合は、哺乳瓶の乳首の選び方に工夫しましょう。すなわち、おっぱいを飲むのに近い口の動きをする乳首を選びましょう。
(3)指しゃぶり、おしゃぶりに注意
長期に渡る指しゃぶりやおしゃぶりは咬み合わせや歯並びへ影響を与えます。おしゃぶりは使わない、指しゃぶりは4歳頃まで様子を見ましょう。舌を出す癖も気をつけましょう。
(4)慢性的な開口、口呼吸に注意
慢性的に口を開けていたり、口呼吸だと唇や頬、舌の力のバランスが崩れ、上顎前突や開咬、下顎の成長方向が変わるといった悪影響を及ぼします。鼻呼吸が苦しいときは、耳鼻科で鼻の通りを治療しましょう。
(5)むし歯を予防
歯が痛いとしっかりと噛んで食べることができません。重度のむし歯で抜歯になると、永久歯が生えるスペースを保つのが難しくなります。おやつの時間を決め、毎日の仕上げ磨きを心がけ、定期健診を受けましょう。
いかがでしたか。
赤ちゃんの顔は日々著しく成長し、どんどん変化していきます。お誕生日に1年間の写真を並べ、そのダイナミックな顔の変化を家族で振り返ってみても面白いですよ。
【参考】
※ 川本 達雄 他 (2000年)『新しい歯科矯正学』(永末出版)
【筆者略歴】
※ 進藤ゆきこ・・・専門家ライター。自身も子育て真っ最中の歯科医師、歯学博士。「毎日のオーラルケアをママとベビーのハッピータイムに」をモットーに、親子でお口の健康をもっと身近に感じてもらえるよう取り組んでいる。
【画像】
※ Angela Waye / Shutterstock