「乳幼児揺さぶられ症候群」はこうして起こる!家族で守りたい3つのルール
おっぱいやミルクもあげて、おむつも替えたのに、赤ちゃんが泣き止まないとなると、抱っこをしてあやすという人がほとんどではないでしょうか。でも、赤ちゃんを抱っこしてあやすときは、細心の注意が必要です。
今、“乳幼児揺さぶられ症候群”により、失明や言語障害、脳に重い障害が残ってしまう子どもが増えています。中には寝たきりになったり、死亡してしまうケースも……。
普通に抱っこをしてあやしている分には問題ありませんが、ママの疲れがたまっているときや、赤ちゃんのお世話をすることの少ないパパや祖父母が、赤ちゃんをあやそうとして“揺さぶられ症候群”が起こってしまったと言うケースが多いと言います。
そこで今日は、“乳幼児揺さぶられ症候群を引き起こさないために、家族で取り組んでおきたいこと”についてお伝えします。
■「乳幼児揺さぶられ症候群」はなぜ起こる?
乳幼児揺さぶられ症候群は、赤ちゃんの脇を両手で抱えて、縦に抱き、前後に激しくゆさぶることで起こります。赤ちゃんの頭は体に比べてとても大きく、頭蓋骨の中に脳が浮いている状態の上、首もまだ据わっていません。
激しく揺さぶられると、脳がさまざまな速度で動き、回転力によって頭蓋骨と脳が大きくずれてしまうことになります。そして、脳の中で血管がちぎれ、出血が広がり、硬膜下出血を引き起こしてしまうのです。目も同様に、網膜が引っ張られて、網膜出血を起こします。
さらに、脳の神経が引きちぎられます。それは呼吸に関係する神経のある脳の深い部分で起こっている可能性もあり、命に関わることもあるといいます。
■家族で取り組んでおきたい3つのこと
寝不足などでママの疲れがたまって冷静な判断ができない状態だったり、赤ちゃんのお世話に慣れていないパパや祖父母だと、赤ちゃんが激しく泣くことでパニックになり、あやすつもりで激しく揺さぶってしまうこともあるかもしれません。
なので、ママ自身が気をつけることはもちろん、一緒に暮らす家族にも、乳幼児揺さぶられ症候群について理解を深めてもらうことが大切です。
重大な事故に繋がる前に、以下のことは必ず伝え、家族で取り組むようにしましょう。
(1)縦に抱いてあやさない
乳幼児揺さぶられ症候群は、赤ちゃんを縦に抱き、前後に激しく揺さぶることで起こります。状況にもよりますが、赤ちゃんを抱っこするときは、“横抱き”を基本にするように伝えましょう。
首や身体をしっかり支えた状態での「高い高い」なら乳幼児揺さぶられ症候群の原因にはならないということですが、あまり速いスピードでやるのは禁物です。落としてしまう危険性もありますし、首が据わらないうちは特に、なるべくなら「高い高い」はやらないように伝えておきましょう。
(2)ママのあやし方を伝授しておく
普段お世話をしているママなら、「こうすれば赤ちゃんの機嫌が良くなる!」というような赤ちゃんが喜ぶ抱きかたやあやし方もいくつかあるのでは? そういったコツはぜひ早めに家族に伝授しておきましょう。
“赤ちゃんがママのお腹にいたときに近い状態を再現してあげる”のもおすすめです。
たとえば、ママの匂いのついた毛布やおくるみで優しく包んであげたり、「シー」と囁くのです。この「シー」という音は、胎内にいたときに聞こえる血管の音に近いので安心するのだとか。
その他、ビニールをくしゃくしゃさせたり、掃除機の音を聞かせたりすることで泣き止むことも多いようです。
(3)ひとりで長時間世話をしない
いくら可愛い赤ちゃんとはいえ、長時間いとりで世話をしていると、疲れもたまりイライラしやすくなります。赤ちゃんのお世話は、ママも含めて、ひとりで長時間しないよう、家族で協力しあいましょう。
どうしても長時間ひとりで世話をしなければいけない状態なら、家にこもりきりにならず、ベビーカーに子どもを乗せて、軽く近所の公園などへお散歩にでも出かけてみましょう。赤ちゃんにとってもかなり気分転換になるはずです。
いかがでしたか。
赤ちゃんをあやすため何気なくやったことでも、乳幼児揺さぶられ症候群のように、重大な怪我や状態に繋がってしまうことがあります。家族で協力して、不幸な事故は事前に起こらないようにしておきたいですね。
【参考】
※赤ちゃんが泣きやまない~泣きへの対処と理解のために~ – 厚生労働省
※乳幼児揺さぶられ症候群防止パンフレット – 日本小児科学会
【著者略歴】
※ 黄本恵子・・・2010年、ライターとして独立。自己啓発・コミュニケーションスキル系の本や、医療・医学系の本の編集協力・代行執筆を数多く手がける。日本メンタルヘルス協会基礎心理カウンセラー。
【画像】
※ Dasha Petrenko / Shutterstock