秋津壽男“どっち?”の健康学「悪質な便秘は腸閉塞になる場合もありうる 下痢と便秘の健康リスクはこんなに違う!」 (2/2ページ)
症状が悪化すると「吐糞(とふん)」と呼ばれる状態になり、口臭も大便のニオイがします。中には便が詰まりあまりの痛みに失神してしまうほどの怖い病気です。こうなると腸の一部を切除しなければならず、最悪の場合は死に至ります。便秘症の人で、トイレに行く前後に、以前にはなかった腹
部の激痛が起こったり、便秘の合間に下痢が繰り返し起きる時など、この症状の疑いがあり、早めに診てもらったほうが無難です。
加えて大腸がんのリスクも便秘のほうがはるかに高いという報告もあり、突然便秘になった場合には、大腸がんを疑ったほうがいいかもしれません。
男性には意外と下痢が多いですが、通勤中の電車などで下痢になる過敏性大腸症候群のようなストレス性の下痢にしても命に関わることはめったにありません。
食あたりが原因の下痢は、3回ほどの排便で腸内が空っぽになります。それでも止まらない場合は脱水症状を防ぐため、温かいこぶ茶などをチビチビと補給したあと、別の症状が疑われますので診療してもらうことです。
慢性の下痢症は極論すれば「食べても太らないラッキーな体質」と言えるかもしれませんが、便秘は命に関わる病気のシグナルの可能性もあるので注意してください。
■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954 年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。