核実験が引き寄せる「金正恩排除」のXデー (2/3ページ)

デイリーNKジャパン

広く国際情勢を俯瞰してみれば、世界の不確実性は10年前に比べ大きく増している。

テロの猛威は止む気配を見せず、いずれ誰かが大量破壊兵器を使おうと試みるだろう。いま、北朝鮮とテロリストとの間に接点が見られるわけではない。しかし、北朝鮮と米中などとの対立が深まれば、欧米や中国を憎悪する勢力が、北朝鮮に接触を試みる可能性はある。

米中などにとって、放置できないリスクだ。

これまで、米中は北朝鮮問題を互いに押し付けあう傾向が見られた。しかしこれから徐々に、尖閣諸島や南沙諸島をめぐる中国と日米の軍事的な対立が変数として働く可能性がある。北朝鮮の暴走にいよいよ介入の必要が増せば、ライバルより先に自分が動こうとするはずだからだ。

そして、経済的に成熟しつつある韓国もまた、いつまでもその繁栄が約束されているわけではない。北の暴挙の前で「行動すべき時が近づいている」との声が上がれば、否定できる人は時とともに少なくなっていく。

つまり、北朝鮮を取り巻く問題の現実とは、これまで考えられてきた以上に、何かを決断するための時間的猶予が少ないということだ。

核実験を受け、韓国軍がただちに対北宣伝放送を再開し、米軍の戦略爆撃機が電撃的に朝鮮半島に展開したのは、当事者の誰もがそのことに気づいていることの証左と言えるかもしれない。

ちなみに時間的な猶予は、ほかの誰にも増して、金正恩氏にとって重要なものだった。若年の彼はその時間を有効に使い、独裁者としてより大きな力を蓄えるべきだったのだ。ところが、もはや誰にもそんな「ヒマ」はないのだということを、金正恩氏は自ら示してしまったのである。

金正恩氏は、八方ふさがりの状況にある。

国連で凄惨な人権侵害の実態が暴かれ、その責任者を国際刑事裁判所において「人道に対する罪」で裁くべきとする主張が公式化している以上、もはや金正恩氏と握手を交わすことのできる先進国首脳はほとんどいない。そのことは金正恩氏もわかっているはずで、だからこそ、「水爆実験の成功」を宣言した声明で「謀略的な『人権』騒動」への反発をあらわにしているのだ。

「核実験が引き寄せる「金正恩排除」のXデー」のページです。デイリーニュースオンラインは、李策核兵器デイリーNK核開発コスト海外などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る