「15億円スった」芸能界最強の“負け伝説”を持つのは誰!? (2/2ページ)

日刊大衆

それで17が来たとき、自分で納得したり、『なんでわかったの?』と周りから賞賛されることが、プロデュースという仕事に求められる時代を先読みする力とリンクしているところはあったと思う」

 仕事に対するモチベーションとしてのギャンブルとでもいうべきか。しかし時に、とても笑えない賭博常習者の芸能人もいる。2006年のことだった。ニューヨークのJFK空港からラスベガスへ向かう飛行機の手荷物検査で、バッグを麻薬探知犬に疑われた日本人がいた。開けられたバッグの中身は、麻薬ではなく5000万円ほどの米ドル札だった。

「カジノの利用者が大金を持つのは当たり前。麻薬探知犬が現金に反応して悪人みたいに思われたけど、麻薬なんて全く関係ない!」

 そう主張したのは、怨歌の女王故・藤圭子。今や宇多田ヒカルの母親といったほうが通りがいいのかもしれない。藤のバッグのドル札はカジノ用に100ドル冊が4千枚以上、輪ゴムで束ねられていたという。

 藤のカジノ好きはカジノ愛好家のあいだでは有名だった。パリ、モナコ、アムステルダム、ゴールドコースト、世界各地の賭場を歴訪し、鬼気迫る表情で真夜中にスロットマシーンとひとり向き合っている姿を何度も目撃されていた。部屋で眠ることができず、賭場に下りてきて48時間も入り浸ったという。

「まあ、5年間で5億円つかいました」

 テレビのインタビューにそう軽い調子で答えた藤だが、先に挙げた事例などを見る限り、相当にのめり込んでいたようだ。「夢は夜ひらく」などの名曲でも十二分に披露されている、彼女のすさまじいまでの情念がそうさせたのか。その情念を制御するのに疲れ果てたか、藤は2013年に自死を選んでしまう。

 まだ世間のあちこちに暗闇が残っていた昭和という時代をその深すぎる「業」で歌い上げた稀代の歌姫は、いつしか全てがピカピカになった平成の世に、ギャンブルの深淵にこそ安らぎを求めたのか。

<文・鈴木ユーリ/別冊週刊大衆『運命をつかみ取る「勝負師」たちの「勝つ生き方」』より>

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