【冴え女シリーズ(10)】[ドSなイケメン茶道プリンス様]第5話(後半)「考えたこともなかったな」 (2/3ページ)
変わらない味ですね」
蓮条寺「子どもの頃は、これもよく食べたな」
しずか「まだ、“ねりきり”や“こなし”の美味しさは、わからない年齢でしたから・・・」
蓮条寺「・・・美味いか」
しずか「はい」
蓮条寺「どれ、私も頂くとしよう」
しずか「・・・?」
蓮条寺「だめか?」
しずか「いえ、先生もぜひ」
蓮条寺「茶席では規則違反だが・・・一緒に食べると、美味いからな」
しずか「・・・そう、ですね」
蓮条寺「・・・うん、昔と同じ味だ」
しずか「こうして、わらびもちにゆずの風味をつけてあるものは、あまり他所では見かけませんね」
蓮条寺「それに、美味いわらびもちは他の店でも購められるが・・・思い出の味には敵わない」
しずか「えぇ・・・」
蓮条寺「・・・お前とこんなに長い時間話をするのは、ひさしぶりだ」
しずか「先生は、お忙しいですから」
蓮条寺「稽古に取材、講演会にセミナー・・・時々、全部投げ出したくなる」
しずか「先生が、ですか?」
蓮条寺「正直なところ、今日は全て投げ出したのだ。だから時間がある」
しずか「えぇっ?」
蓮条寺「・・・冗談だ」
しずか「・・・驚かせないでください」
蓮条寺「先代が生きていれば、私はまだここまで多くの仕事をさせてもらえてはいない。