女性の役員が36%も!日本より働きやすいノルウェーの労働環境
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いま、単身女性は実に3人に1人が貧困で、母子世帯となると57%にもなるといわれています。
ここ数十年の間で、女性が社会で活躍できる場が増えてきているはずなのに、女性の貧困化が進んでしまっている原因とはなんなのでしょう?
貧困の根本的な原因と、その対策をまとめてみました。
■日本は女性の就業率が71.8%なのに管理職が少ない
日本にくらべ、欧米では女性が男女の性差なく活躍しているイメージがあると思います。
しかし近年、日本の増加傾向に対して欧米での女性就業率は低下しており、実際は日本の方が女性就業率は高くなっているのです。
日本の場合、女性が管理職など重要なポストについている割合は海外とくらべて著しく低いのが現状。
その原因としては、ワークライフバランスの理想と現実がまだまだかけ離れているということが挙げられます。
多くの会社では、女性も男性と同じように新卒採用されていますが、管理職に就けるようなポストには採用されないケースが多いのです。
昇進が見込めないポジションであれば、当然昇給も期待できるわけがありません。よって、こういった現実も女性の貧困化原因のひとつです。
また、ワークライフバランスを保てないことで、結婚、出産というタイミングで離職してしまう女性が多いことから、管理職に女性を採用できないという意見もあります。
内閣府の調査データによると、実際に就業していた女性のうち、結婚・出産で離職する人は3人に1人の割合。
それに対して、北欧での女性就業率は非常に高く、もっとも高い国が82.8%のスウェーデンです。北欧では、重要なポストに就いている女性が大勢います。
実際、私も仕事でノルウェーを訪問した際、4人の子どもがいながら、部長職に就いているという女性に出会い、驚いたものです。
ノルウェーでの女性役員の割合は、なんと、世界一で36.1%。
北欧の社会保障が充実しているというのは日本でもよく知られていますが、女性がこのように活躍できるのも、社会全体が女性をサポートしているということなのでしょう。
■貧困対策として真似したい北欧のワークライフバランス
(1)ノルウェーのクオーター制
それでは、日本と北欧の女性の就業状況は、一体どう違うのでしょうか。その大きな違いとして、ノルウェーにはクオーター制という法律が2004年より上場企業を対象に導入されています。
この法律は、取締役のうち、いずれの性別も4割を下回ってはいけないというもの。
クオーター制を導入することにより、結婚、出産後も女性が継続して働き続けられるような労働環境を整備することが必然的に求められました。当然、女性の労働意欲もより高いものになっていったのです。
(2)ライフワークバランスの意識
ライフワークバランスを意識した働き方が浸透していることもあり、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドでは、週48時間以上働く人は全体の10%程度で、1日の平均労働時間は6.6時間。
有給休暇も、年間最低25日の付与が義務づけられています。
でも1日の労働時間が短くなると、生産性が下がってしまうのではないかということが気になりますよね。
そこでノルウェーの友人に尋ねたところ、私生活と仕事のメリハリをしっかりつけることでストレスも軽減され、仕事のモチベーションを保つことができるので、結果的に効率的だとのことでした。
そのため、過労で体調を崩す人も少ないそうです。こういった事実から、ノルウェーでは、ワークライフバランスに満足している人は、全体の9割にも上るといいます。
(3)柔軟な労働時間制度
ワークライフバランスを保つために、日本のフレックス制度よりも柔軟な労働時間制度を導入している企業が北欧には多く存在します。
スウェーデンでは、企業の約65%が就業時間や休日を柔軟に変更できる制度を導入しています。この結果、女性が育児にかける時間は毎週15時間以上なのだとか。
この労働時間制度により、女性だけではなく、男性も日本に比べて多くの時間を家族と過ごすことができるということ。育児休暇も、男女ともに3年取得できるということで、夫婦が協力し合って労働と育児を両立することができるようになっています。
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日本ではまだまだ、北欧のような労働環境を整えるのは難しいのかもしれません。しかし、北欧は時間をかけてワークライフバランスを維持できる環境をつくり上げてきました。
日本も今後、満足度の高いワークライフバランスを実現すべく、北欧のワークスタイルを参考にしていきたいものです。女性を採用する側も、される側も、労働に対する意識を変えていく必要があるでしょう。
長く働き続ける環境をつくり上げることで、女性の貧困問題の解決にもつながっていくのではないでしょうか。
(文/hazuki)
【参考】
※女性就業率、日本は34カ国中24位 OECDまとめ-日本経済新聞
※What It Costs to Be Me: Women’s Average Salaries-marie claire