日本の臓器移植手術が「アメリカより20年も遅れている」理由 (2/3ページ)
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フィクションでは驚くほど簡単に臓器移植をしていますが、現実の日本ではほとんどありえない状況なのです。
■日本では脳死が死ではない
臓器移植の問題は、脳死の問題でもあります。
みなさんは、脳死を人の死とするかについては医者の間でも議論が分かれていることをご存知でしょうか。
日本では特に倫理上、脳死をまだ人の死とはみなさず、臓器移植は人道に反する行為だと感じて反対する考え方もあるのです。たとえば哲学者の梅原猛氏は、脳死は人の死ではないとして反対しています。
この問題は国会議員も巻き込んで大論争となり、脳死を人の死とする立法を目指す活動もはじまりました。ですが、脳死は脳死後ただちに臓器の移植が始められるという誤解が一般に浸透しています。
アメリカではむしろ、人の死よりも「人の生のはじまりはどこか」という議論が主流で、妊娠中絶などについて激論が交わされています。
そういった文化の違いもあって、日本では議論そのものがかなり欧米に比べて未成熟なのだといえるでしょう。そこが日本の臓器移植が遅れている点でもあります。
社会全体がこの問題に向き合い、正確な医学的知識を持って、命と死に関して向き合っていく必要がありそうです。
日本人には、「できるだけ死に向きあいたくない」という国民性もあります。しかし、いまこそ議論を進めるべきなのではないでしょうか。