大相撲で”日本出身”なぜ悪い?中国人が感じた「琴奨菊優勝報道」への違和感 (2/2ページ)
以前の僕は、相撲は「ブクブクに太った男たちが行うスポーツ」という認識があり、競技としての魅力を感じませんでした。多くの中国人も似たような感情を持っているようで、相撲は中国国内ではほとんど話題になりません。
しかし中国在住時に日本文化を学ぶにつれ、力士は激突した時の衝撃をやわらげるために、あえて肥満体になること、脂肪の下には高密度の筋肉が隠されていることを知ったのです。フランスのサルコジ前大統領が「インテリのスポーツではない」と揶揄したように、相撲に偏見を持つ外国人は多いと思いますが、この日本文化がもっと世界に広まればそのような偏見は払拭されるでしょう。
日本の文化を学習していたため、以前から僕はモンゴル勢をはじめとする外国人力士たちが日本の大相撲を席巻していることを知っていました。もともと巨大な体格を持つ欧州人、同じモンゴロイドながら北方民族で高い身体能力を持つモンゴル人に比べると、相撲の「正面から思い切りぶつかる」という競技の性質上、日本人はあらゆる意味で不利だと言えるでしょう。
琴奨菊関は体格、身体能力にハンデがありながら外国人力士たちに打ち勝ちました。彼が優勝するまでには並々ならぬ努力があったことでしょう。これは大相撲中継を見ていた知人から聞いた話ですが、琴奨菊関が優勝を決めた時、会場内には日本国旗を振って歓声を上げる人がいたそうです。
日本人が日本の国技の頂点に立つことは自然なことであり、今後、相撲の盛り上がりのためにも更なる日本人力士の奮闘を願いたいです。
著者プロフィール

漫画家
孫向文
中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の31歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。近著に『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)
(構成/亀谷哲弘)