天才テリー伊藤対談「世良公則」(1)演じた貴船教授は真の悪人じゃない (2/2ページ)
テリー ええっ、それはおもしろい!
世良 こちらもきちっとチームワークを作っておかないと、主人公チームが生きてこないですからね。
テリー いい現場って、撮影前の雰囲気作りもうまいんですよね。
世良 特に小泉さんは初めての悪役ということで、いろいろと悩まれていた部分もあったと思うんですよ、セリフも多かったしね。ですから、ヒール軍団のトップである彼をサポートしていくのが僕らの使命、みたいな意識はありましたよ。
テリー なるほど~。
世良 小泉さんの様子を見ながら「今、セリフがちょうど頭の中に入ってる時だから話しかけちゃいけないな」とか「緊張感をほぐすために話しかけたほうがいいのかな」とか、けっこうみんなで気を遣って現場のムードを作っていました。
テリー ヒールなのに、心が温かい集団だね(笑)。
世良 平(岳大)さんにしろ、瀧川(英次)さんにしろ、ヒール軍団はみんなふだんはすごく紳士的で優しい人たちですから。現場はいつも温かい空気でしたよ。
テリー 世良さん自身は、演じた貴船教授という役をどう考えていましたか。
世良 監督やプロデューサーと話したのは、「基本的には医者ですから、ただの悪人ではないだろう」と。物語に登場する前から人の命を助ける喜びを味わってるし、救えなかった悔しさや、むなしさも経験しているはずなんです。
テリー うん、誰だってまずは人命を救いたくて医者になるんでしょうから。
世良 ただ、大学病院という組織の中で、自分がやりたいことや上を目指すと、やっぱり他者に勝つ必要が出てくる。負けが許されない世界にいるうちに、いつしか優しさや思いやりが二の次になってしまった。大切にするものの優先順位が変わってしまったんですね。
テリー あ、それ、すごくわかるなぁ。
世良 主人公チームは「失敗しても仲間と力を合わせれば何度でも立ち上がれるんだ」ということを信じている男たち。だけど貴船は「一度負けたら全て失う」という思いで、常にゼロか100かの精神で戦っている男なんです。そういうバックボーンを持っているから、しゃべる時には表情をまったく変えないんじゃないかとか、いろいろと考えながら演じていましたね。