地上最強にタフな生物「クマムシ」は別の生物が2割も混ざっているってほんと? (2/2ページ)
■他種のDNAを「食事」する?
クマムシはなぜ「タフ」なのでしょうか? 最大の特徴はDNAを修復できること、さらに最近の研究では、ほかの生物のDNAを取り込むことで強くなった、と考えられています。
DNAは紫外線や放射線を浴びると損傷し、日常的な要素では「乾燥」でもダメージを受けることもあります。クマムシも例外ではなく、水分が減ると乾眠で対抗しますが、DNAが断片化してしまうためダメージを受けないわけではありません。そこで、ふたたび水分を得て動き回れるようになるとDNAを修復、このとき水分を失った細胞は外部から「もの」が通り抜けやすくなるため、この際にほかの生物のDNAを取り込んでいるのでは、と考えられているのです。
クマムシのDNAを解析したところ、
・細菌 … 16%
・植物 … 0.5%
・ウイルス … 0.1%
などが見つかり、およそ2割はクマムシ「以外」であることがわかりました。通常、遺伝子は「先代」から受け継ぐものであり、クマムシの親が細菌や植物であるはずもありません。そこで、エサから栄養を摂るように、ほかの種からDNAをもらってくる水平伝播(すいへいでんぱ)では? と考えられ、自分以外の「特徴」を取り入れることが強さのひけつ、と推測されているのです。
宇宙空間でも生き延びられそうなクマムシの研究が進めば、病気の治療にも大きく貢献しそうですね。あったかいんだから、な結果が出ることに期待しましょう。
■まとめ
・クマムシは、高温、乾燥、真空、高圧でも生き延びるタフな生物
・ダメージを受けたDNAを、自分で修復できる
・クマムシのDNAを調べたところ、およそ2割は「ほかの生物」のものだった
・DNAを修復する際に、ほかの生き物のものを取り入れている、と考えられている
(関口 寿/ガリレオワークス)