ダイヤはカラットだけど……世界標準でも決められている真珠の重さの単位ってなに?

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日常のありとあらゆるものに使われている「単位」。宝石は「カラット」が一般的なのに対し、真珠だけは「もんめ」で取り引きされるのはご存じでしょうか?

「花いちもんめ」で知られる「もんめ」は重さを表す日本独自の単位で、長さの「尺」などと同様に現在は使われていませんが、真珠だけは例外。mom、mommeのつづりで、世界中で通じる単位です。逆に、海外では一般的なインチやポンドは日本では基本NG。使える単位は法律で決められているので、「インチの定規」などは勝手に販売できないのです。

■「花いちもんめ」は5円玉の重さ

魚を数える単位が「匹」なのはご存じでしょう。じつはこれ半分正解で、

 ・匹 … 生きた魚

 ・尾(び) … 料理用の魚

と変わり、イカは杯(はい)と数えられます。このほか、石や金属の重さはグラムなのに宝石になるとカラットが用いられるなど、覚えきれませんね。重さならグラムで良いじゃない? と思うのが人情ですが、じつはこれNG、「計量法」と呼ばれる法律によって使える/使えない単位が決められているのです。

日本では、重さを表す単位の基本はキログラムで、海外で使われている「ポンド」などで取引することはできません。例外として、国際的に使われている単位が優先される物品もあり、

 ・宝石 … カラット

 ・金貨 … トロイオンス

変わりダネは「真珠」で、グラムでもカラットでもなく、むかしの日本で使われていた「もんめ」が公式の単位になっているのです。

もんめは尺貫法(しゃっかんほう)と呼ばれる日本独自の単位のひとつで、3.75グラムに相当、じつは5円玉の重さもこれに合わせて作られています。これが真珠の重さの単位になったのは、養殖に成功した日本企業のおかげ、当時の日本で使われていた尺貫法が世界標準となったのです。海外向けにはmomやmommeと表記され、真珠「だけ」に許された単位が、勝ってうれしい「花いちもんめ」と同じと聞くと、ちょっとフシギな気分ですね。

■大臣の承認が必要な「インチの定規」

逆に、有名なのに日本では使えない単位もあります。ヤードやポンドが代表例です。

例外的に許されているのは、

 ・航空機の部品

 ・ボウリングのボール

 ・ゴルフ用品

などで、インチやポンドが国際標準になっているものはOK、ただし「量り売り」的な要素はNGで、ステーキ肉や缶詰などはグラム/キログラムの表示がないといけません。同様に「はかり」や定規も規制の対象で、計測器具として販売するには経済産業大臣の承認が必要になります。

パソコンや電子部品には「インチ」で表現されるものが多いのに定規はフツウに売っていない、対して、知らないひとも多い「もんめ」が世界標準と、単位の世界もフクザツですね。恋人にジュエリーをプレゼントする際に、ついでに単位の「うんちく」を語ってみてはいかがでしょうか。

■まとめ

 ・長さや重さに使える単位は、「計量法」で決められている

 ・真珠の重さには「もんめ」が使われる

 ・海外で使われているインチやポンドでの取り引きは、原則NG

 ・「インチの定規」「ポンドのはかり」を販売するには、経済産業大臣の承認が必要

(関口 寿/ガリレオワークス)

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