ガーゼはいらない!? 怪我の自然治癒に欠かせない「ジュクジュク汁」の真実
歩き始めた子どもは、目を離すと常にどこかへ行ってしまい、「危ない!」とヒヤッとしてしまうこともしばしば……。そんなヤンチャな子どもに怪我はつきもの。
ケガをしたら病院に行って、消毒して包帯やガーゼをあててもらう、という認識のママも多いはず。けれど、今まで当たり前に考えていたケガに対する処置が、かえって傷を悪化させていたとしたら……?
今回は、薬も検査も“本当に必要な場合に必要な分だけ”を基本とし、“自らの治癒力”を活かす方法で診療をされている、豊受クリニック院長の高野弘之先生に、怪我の正しい処置についてお話を伺ってきたのでお伝えします。
■「ジュクジュク汁」が自然に治す鍵だった!
まず、高野先生は“傷に消毒”という概念は不要だと言います。
そもそも現代医学では、“菌は殺す”、“熱は下げる”というような概念があり、これは根本的な原因を解決するようになっていないのだそうです。
身体の反応には全て意味があります。例えば、熱は身体に必要だから発熱しているのであって、それを無理に下げる必要はないとのこと。
それは、傷の場合も同じです。
傷が“ジュクジュクする”のは良くないように私たちは思い、すぐ拭いたり、ガーゼで押さえてしまいがちですが、実はそれが傷を悪化させてしまっていたのです。
その“ジュクジュクの汁”こそ傷を治すために必要なもので、それを拭かずにいると、消毒をしなくとも自然と治っていくし、カサブタにもならないそう。
傷口を消毒して乾燥、カサブタができたのち、かゆみに耐え切れなかった子どもが、それをはがしてしまい出血、そして傷が悪化……。なんて負の連鎖になってしまっていませんか?
“消毒をやめて、汁を拭かずにいる”ことが、自然に治すためのキーポイントだったのです。
■傷を早く治す秘訣は「ラップ」
傷にバンソウコウを貼ってしまうと、汁を吸い取ってしまい傷は治りにくくなります。
実は傷を自然に、そして早く治すためには“ラップ”が効果的なんだそう!
今までの私たちの概念からすると、かなり驚きですが、このラップこそ、汁を逃さず傷に密着させることができ、また乾燥させることもなく最適とのこと。
使い方は本当にシンプルで、傷口にラップを巻くだけです。ただし、傷以外の皮膚にラップを巻くと、あせもなどの原因になるため傷口だけに巻くのがポイント。
また、バンソウコウできちんと保護したい場合は、まず傷口を水で洗って、ラップを傷口に被せてからバンソウコウを貼ると良いそうです。
そうするとバンソウコウのガーゼが、汁を吸い取ることはなくなりますからね。
ラップで自然と皮膚が再生していく過程でカサブタができず、とても綺麗な皮膚がみるみる内に蘇ってくるのだそうです。
いかがでしたか?
怪我をしたら、まず消毒をしてバンソウコウをして……、というこれまでの常識をくつがえすようですが、ラップ1つで自然に治るのであれば、ママにとっても楽ですよね。
大火傷を負った際など、程度によって病院に行く必要があるケースもあります。しかし、よほどの怪我でない限り、子どもの自然な治癒力で治してあげたいと思うママは、高野先生のような考えの病院を近くで探しておくと良いかもしれませんね。
また、子どもの身体や健康に関することは、パパや周囲の方の理解も必要でしょう。
筆者は「できるだけ自然に育てたい、人間が本来もつ生命の力を最大限活かした子育てをしたい」と事前に話し、その考えを尊重してもらっています。
まずは家族で話し合い、その後に近場で信頼できる医師を見つけてみると良いかもしれません。
【取材協力】
※豊受クリニック院長 高野弘之・・・自治医科大学(栃木県)卒。国立長崎中央病院(現長崎医療センター)で研修後、長崎県内の離島の病院で主に小児科医として勤務した後、平成24年5月に池尻クリニックを開業。
ビルの売却に伴い平成26年8月に池尻クリニックを閉院し平成27年1月より世田谷区玉川台に豊受クリニック(内科・小児科)を開設。薬剤になるべく頼らず自身の治る力を生かせることをモットーにした先生は、自然に子育てをしたいママに信頼をおかれています。
【著者略歴】
※ Yuno・・・ヨガ・アーユルヴェーダ・おむつなし育児アドバイザーの分野で活動。自身のスタジオWindhillを2015年港区白金台に設立。また今年出産を終えた1人のママとして、特に最近は妊婦や産後の身体についてを中心に学びを深める。自然な生活・自然な育児をモットーに、妊婦さんや産後のママのサポートができるよう活動しております。
【画像】
※ Purino / Shutterstock