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北朝鮮、労働者を戦車で轢殺 (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

労働者を食べさせるためにやったことで私腹を肥やすためのものではなかったのに…」

すると、防諜機関の要員が、死刑囚の縛りつけられていた柱まで彼女を引きずって行き、遺体を足で蹴ってどかせて彼女を縛りつけ、9発の銃弾を撃ち込んだ。わずか数分の間に起きたあまりにも恐ろしい光景に、住民たちは一言も発することができなかった。

翌日午後、当局の非道ぶりに憤った製鉄所の労働者たちが、死を覚悟して製鉄所内で抗議活動を始めた。

数千人の労働者たちは座り込み「これ以上幹部を処刑するな」「幹部は労働者と製鉄所のために正しいことをした」とシュプレヒコールを叫んでいた。自分たちの要求が聞き入れられるまで座り込みを続けるという労働者たちを見て、「さすが街が誇る製鉄所の労働者たちだ」と市民たちは頼もしく感じていた。

すると翌朝、街に轟音が轟いた。10数台の戦車が街を走り回っていたのだ。米国との戦争が始まったと思った市民たちが戦車の後に続いた。戦車に守ってもらおうという思いで。

ところが、どういうことか戦車は製鉄所の壁を壊して中に入っていった。数百人の軍人も後に続いた。しばらくすると製鉄所の中から轟音と悲鳴が聞こえた。

座り込みを行っていた労働者の集団に戦車が突っ込んだのだ。

数十人の労働者が戦車のキャタピラに轢き殺され、あたりにはバラバラになった遺体が散乱していた。家族の変わり果てた姿を見つけた人々があちこちで慟哭していた。その光景を見た市民たちは恐怖のあまり凍りついていた。

労働者たちは銃を持った軍人に包囲され「すぐに解散せよ」との命令が下されたが、彼らは一歩たりとも動こうとしなかった。

すると突然、号令が下された。労働者たちに向けて発砲が始まり、戦車が突っ込んだ。労働者たちはほうほうの体で逃げ出したが、多くが銃弾に倒れ、あるいは戦車のキャタピラに巻き込まれた。

街には事実上の戒厳令が敷かれ、「南朝鮮のスパイとグルになった連中が黄海製鉄所の設備を破壊した」「首謀者を人民の名のもとに裁く」との布告が貼りだされた。

多くの市民が逮捕され、3人が公開銃殺された。

犠牲者数は定かではないものの、現場で数百人、その後の収拾過程も合わせると、1200人以上が犠牲になったとの説もある。

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