桐谷美玲「30歳までに子供産みたい」が炎上したワケ|やまもといちろうコラム

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桐谷美玲「30歳までに子供産みたい」が炎上したワケとは?
桐谷美玲「30歳までに子供産みたい」が炎上したワケとは?

 山本一郎(やまもといちろう)です。3人の子持ちです。

桐谷美玲の発言に、アラサー女子から批判殺到!

 先日、デイリーニュースオンラインでも物議を醸していた日刊大衆のこの記事ですが、まあ確かにいろいろと批判というか、イチャモンがついておりました。

 桐谷美玲女史の発言は本音でしょうし、そういう価値観があってもおかしくないところでして、アラサー未婚女子が炎上の本丸なのかは分かりませんが、芸能人の発言を無理に自分ごとにしてそこまで怒らなくても、という気もしないでもありません。

 その一方で、同じ女優の山口智子女史が講談社の『FRaU』で、「私は特殊な育ち方をしているので、血の結びつきを全く信用していない。私はずっと、『親』というものになりたくないと思って育ちました。私は、『子供のいる人生』とは違う人生を歩みたいなと」と述懐し、子供のいない人生を望んで、実際にそのようにしているというエピソードを公開しています。

山口智子が今の心情をすべて告白 | FRaU

 逆に、さらに女優の小泉今日子女史が、子供が欲しかったけど、もうけることが叶わなかった、ということを切々と述べる場面があり、これはこれで、価値観と境遇と結果という、非常に悩ましい取り合わせが存在していることも分かります。

「人生でやり残したことは子供を持つこと」小泉今日子の後悔に女性が涙する理由

 芸能人がすべての日本人の人生のロールモデルを、代表しているわけではありません。あくまで、一人の価値観を述べているだけだとは思いますが、やはり己の身に置き換えて人生を比較したとき、子供がいない自由な生活は女性として責任を果たしていないとか、結婚して子供を産んでという古い価値観に囚われていて、人間としてどうなのかなどといった文句はどうとでもつけられるんですよね。

 問題は、自分の人生の選択について、自分なりの答えを持っているかだと思います。何故結婚したのか、どういうつもりだったのか、何を目指しているのかといった、人生の先を見据えた選択の結果、このような人生を送っています、という自分なりの納得感や証明の部分です。

■自身の価値観を語り焦りを伝える勇気

 一方で、人生ですからままならないことも多い。本当はああしたかったけど、諸般の事情で人生こうなってしまった、後悔している、というところまで落とし込めるかどうかは、とても重要なことです。山口智子女史のように、己の価値観として子供を持たずパートナーと人生を楽しむという選択の結果、子供を作らなかったというのと、小泉今日子女史のように結婚もして祝福もされたけれど、やはり人生の結果として子供をもうけることがついにできなかった、それが後悔と語れる人生もまたあります。

 それを、しっかりと自分の言葉として言えるのかどうか、それも、親兄弟のような身内ではなく、メディアを通じてしっかりと自分の価値観や人生の振り返りや、反省・後悔みたいな“コンテンツ”として立たせることができるのかというのは、意外に重要なことなのだろうと思います。

 ひるがえって、まだ26歳でこれから結婚も出産も控えるかもしれない桐谷美玲女史が、炎上を覚悟したわけではないかもしれないが自分の人生の価値観をきちんと語り、焦りを伝え、人生の行く先をきちんと見据えているように見えるのは、素晴らしいことなんじゃないかと感じます。私自身の人生を振り返ってみると、26歳当時の自分が家庭を持つことなど何も考えず、ただひたすらに働いていた時期ですし、思い返すに恥ずかしいレベルであります。

 その意味でも桐谷美玲女史は成熟した精神の持ち主なのでしょう。

 すべての女性に祝福を、と願い祈るところですが、これだけ晩婚化が進んで独り身男女の割合が増えてしまうと、迂闊に結婚に関する価値観を著名人がやりづらくなってしまうんでしょうかね。

 変に言葉狩り的な現象に直結しないことをと思っております。

著者プロフィール

やまもといちろうのジャーナル放談

ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数

公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)

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