東京・四谷「振り込め詐欺」グループが洗脳に使ったのはあの人の熱い言葉? (2/2ページ)
兄貴分にどなられ意気消沈している時、〈君は本気か?僕は本気だ!〉とあれば、“兄貴は本気なんだ”とよく思ってしまう」(捜査関係者)
ちなみに、アジトに並ぶ机の上には、こうした金言ではなく「世の中、金次第」と書かれた紙が貼られ、タイムカードまであったという。
犯罪集団の末端構成員の「調教」に自身が考えたコピーが使われた松岡氏こそ、いい迷惑だが、
「松岡氏の言葉はメンタルコーチング、マインドコントロールによく使われるんですよ」
と、ノンフィクション作家の織田淳太郎氏は語る。
「阪急グループの総帥・小林一三の孫である松岡氏はあえて海外転戦という苦難の中に身を投じ、日本のテニスプレーヤーの先駆けとなった。負けてランキングが落ちれば金が入ってこないし、ものすごいプレッシャーだったはずです。それに耐えた松岡氏はものすごく強靭な精神力の持ち主です。だからこそ、彼の言葉を聞いた人には感銘を与えるが、今回はそれが悪用されてしまった」
詐欺グループには川崎で発生した「中1男子殺害事件」の主犯少年のようなワルが加入することが多いという。
「組織のボスは一流企業の社長気取りです。しかし、そこまでいくのはごくわずか。組織に入ると、兄貴分がアウトローの少年を飲みに連れて行って、どうだ、俺みたいな生活をしたいだろう、とこれ見よがしに言う。それで何人かは自分の居場所を見つけるが、大半の少年は身も心もボロボロになって、逃げ出そうとする。そのため、グループの構成員が末端の少年を尾行するのは当然だといいますよ」(前出・窪田氏)
逃げ出せたと思っても、捕まれば命の保証はない。
「グループの詐欺のマニュアルは門外不出の極秘資料です。それを警察でしゃべられたら足がつく。詐欺グループに一度入ってしまうと、よほどのことがないと抜けるのは難しいようです」(前出・窪田氏)
まるでマフィア。〈苦しい時ほど、笑ってごらん〉と言われても笑えない世界である。