【冴え女シリーズ(11)】[マスターの不器用な優しさに]第11話(後半)「トリガーを引いたのは」 (2/3ページ)
コーヒーを淹れながら、ふと、また君は悪い男に引っかかってるんじゃないだろうかとか、しばらく店にこないと、いい恋をしているのかもしれないなどと考えたりもした」
蘭 「し、知らなかった……マスターの日常にそんなに私が食いこんでたなんて」
優士「俺も知らなかったよ。思い返すまで気づかなかった。そのくらい日常に君が溶けこんでいた」
蘭 「そっか、そう、なんだ……な、なんでいまさらそんな話を聞かせてくれたの?」
優士「ふむ、どうしてだと思う?」
蘭 「え、えっと……」
優士「言っておくが、トリガーを引いたのは本庄君だぞ?」
蘭 「え、わた、私!? わ、私マスターに何言ったっけ?」
優士「君にとっての俺はなんだ?」
蘭 「マ、マスター……そんな真剣な目でみつめられたら困っちゃう。ただでさえマスターかっこいいのに、口が悪くないマスターなんてただのイケメンじゃない」
優士「なんで困るんだ?」
蘭 「え!? だってイケメンに見つめられたら誰だって照れちゃうわ。マスター相手にドキドキしちゃうなんて私変。だって、マスターは私にとって、気の許せる近所のお兄さんとかそういう感じだったの……。の、はずなの……。あ、だから彼女を紹介されたら、マスターを取られちゃうみたいで嫌だったのよ。あー、やっと納得いったわ。そうよ、私にとってマスターはお兄さんなんだわ」
優士「本庄君が妹だと困る。物凄く困る」
蘭 「私がお兄さんみたいに思う分にはいいじゃない」
優士「いや駄目だ」
蘭 「え、なんで!? 妹みたいに甘えちゃ駄目ってこと?……そうよね、私はただのお客さんだもの。身内みたいに甘えられたらマスターも嫌よね」
優士「そういう意味じゃない」
蘭 「だったらどういう意味よ?」
優士「答えは君が出すべきだと思う」
蘭 「私が?」
優士「俺は本庄君に抱く感情がなにかわかった。