【冴え女シリーズ(11)】[マスターの不器用な優しさに]第12話(後半)「また勘違いをしているな」 (2/3ページ)
なんで言っちゃうの・・・そういうところ空気読んでよマスター」
優士「君が言うように俺は曖昧にするのが好きじゃないからな」
蘭 「酷い人だね・・・」
優士「ああ、自覚している」
蘭 「はぁ。マスターのツナサンドを食べるのも今日で最後か・・・だったら、もっとゆっくり味わって食べたらよかった。コーヒーも、冷めちゃったし」
優士「なんで最後になるんだ?」
蘭 「私はもう、ただのこの店の常連客でいられないから。ほら雨も、止みそう・・・そろそろ潮時ってことよきっと」
優士「君はまた勘違いをしているな」
蘭 「もうこれ以上間違えることなんてないわ。私が波風立てたくないの知ってるでしょ?私どんなに好きだった人でも、すがりついて見捨てないでなんて言わない事にしてるの。お別れする人にどう思われようと関係ないだろうに、面倒な女だったって思われたくなくて。マスターにも、そんな風に思われたくないから。あ、でももう遅いか。私結構、面倒かけてきたもんね」
優士「待て待て畳み掛けるな。俺も君もまだ何も言ってないし、何も答えをだしていない」
蘭 「言わなくたって、言われなくたって答えはわかってるもの。だったら、これ以上傷つかないうちにお開きにしたほうがいいと思わない?」
優士「思わないな」
蘭 「マスターの前で、これ以上惨めな思いをしたくないの。わかって」
優士「わかりたくない」
蘭 「マスター!」
優士「卑屈になって全部諦めて、俺に何も言わせないまま、逃げようとする君の言葉なんて、聞きたくはない。俺達はお互いに辛い過去から逃げてきた。でも、俺はもう逃げない。
あの時言えなかった後悔を、もうしたくない」
蘭 「私が、後悔することになっても?」
優士「君がどうして後悔することになるんだ? いや、後悔する事になるかもしれないな。