泳ぎはうまいのに……ワニは「潜り」がヘタだってほんと?

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美容と健康に重要な「歯」。わざと「石」を飲み込んで、歯の代わりにする動物がいるのはご存じでしょうか? 焼き鳥の「砂ぎも」の正式名称は砂嚢(さのう)で、トリの「歯」として働く器官。飲み込んだ石で食べ物をすりつぶし、消化しやすくする場所です。ところが、

強力な歯とアゴを持つワニもなぜか石を飲み込み胃石(いせき)として保管、水中でバランスを取るためと考えられ、じつは潜水がヘタな生き物だったのです。

■歯があるのに胃石が必要?

人間をはじめ、ほとんどの動物には「歯」があり、ときにして「かまれる」なんて事故が起きます。対して歯のない動物も多く、代表はトリ。エサをちぎる程度までは「くちばし」でおこなえますが、その先はほぼ「まる飲み」状態なので胃がもたれそう……。そこで石を飲み込み、体内で歯の代わりをさせているのです。

トリは飲み込んだ砂や小石を砂嚢(さのう)という器官にキープし、食べ物が入ってくると砂嚢を収縮させて「かむ」ようにすりつぶしてから胃に送ります。いわば「あご」のような役目を果たすため筋肉が発達し、こりこりとした食感が人気で、焼き鳥の「砂ぎも」を始め、多くの料理に使われているのです。

砂嚢の代わりに「胃」で同じことをする動物もいます。古代に生息していた恐竜も胃石(いせき)で消化を助けていた、と考えられているのです。

胃石には2種類あり、

 ・消化されなかった食べ物が、石のように固まったもの
 ・意図的に飲み込んだ石

前者は一種の病気なのに対し、恐竜は後者のほうで、わざわざ石を飲み込んで、トリと同様に「歯」の役目をさせていたのです。鋭い牙や強力なあごがトレードマークになっているのに、なぜ胃石? とフシギに思えるでしょうが、消化の悪い草を食べる種や、魚をまる飲みしていたと推測される大型の水棲恐竜に胃石が確認されますが、肉は消化されやすいため、肉食恐竜にはありません。ところが、この習性は肉が主食の「ワニ」に引き継がれているのです。

■「おもり」がないと潜れない?

ワニの胃石は消化のためだけではありません。水中でバランスを取るための「おもり」としても使っているのです。

ワニは肉食性ですから、植物が食卓にあがることはありませんし、胃石が必要なほど魚をまる飲みするなんて話も聞きません。じつはワニは潜水がヘタで、水中では思う通りに動けず……。そこで石を飲み込んで「おもり」に使っている、と考えられているのです。これも恐竜時代の「遺産」で、水中で暮らす巨大な恐竜・スティクソサウルスの化石からも大量の胃石が見つかり、やはりバランスをとるためと推測されています。なんて不器用! と思うかも知れませんが、誰もが知っている動物ではアザラシも胃石を持ち、消化の助けだけでなく、泳ぎ方も理由のひとつでは? と考えられています。

人間の場合、野菜や果実、海藻が「病気」の胃石の原因になることもありますので、よくかんで食べるのが良さそうです。

■まとめ

 ・歯のないトリは、砂嚢に貯めた砂や小石で食べ物をすりつぶす
 ・砂嚢を持たない動物でも、飲み込んだ石を胃にキープしておく種がいる
 ・消化の悪い草食、魚をまる飲みした恐竜も胃石を持っていた
 ・ワニの胃石は、水中でバランスを保つための「おもり」の役割も果たす

(関口 寿/ガリレオワークス)

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