僕は黒い犬を飼っている。名前は「うつ病」、この犬から逃げるのは大変だけど、飼い慣らして仲良くすることができるんだ。

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僕は黒い犬を飼っている。名前は「うつ病」、この犬から逃げるのは大変だけど、飼い慣らして仲良くすることができるんだ。

 日本だと10人に1人、アメリカだと5人に1人くらい。そう少なくはない人々が、心の奥底で黒い犬を飼っているという。その犬の名は「うつ病」。追い払おうとすればするほどその存在は大きくなる。だけど飼い慣らすことができるようになると、不思議と気持ちが軽くなり、あんなに大きかった黒い犬がかわいらしい子犬にも見えてくるんだ。  この動画は、世界精神保健デーを記念して世界保健機構が、ニュージーランドのイラストレーター、マシュー・ジョンストン氏の絵本ぼくのなかの黒い犬を元に映像化したものだ。これが大反響を呼び、動画の再生回数は650万回を突破している。 記事提供=カラパイア

出典: YouTube

I had a black dog, his name was depression

 この世界では、何百万人という人がうつ病と戦っている。多くの人やその家族は、うつ病の苦しさを話すことをためらい、どこに助けを求めていいのか分からないという。しかし、うつ病だと認識し、適切な助けを得ることで回復へとつながるという。この物語は、うつ病に悩む男性が、うつ病を黒い犬に例え、それを克服し、飼い慣らしていくまでの過程を描いたものである。

僕の心の中にいるうつ病という名の黒い犬

 僕は犬を飼っていた。その犬の名前は「うつ病」という。

 犬が現れるたび、僕は無気力になって生きるのがとてもおっくうに感じた。しかも、その犬は何の前触れもなく、特別な理由もなく、いつも突然僕の目の前に現れた。

出典: karapaia



 その犬といると、僕は精神的にも肉体的にも、実際の年齢よりも老けたように見えた。他の人が楽しそうに暮らしている世界も、僕の目に映るのは黒い犬で、犬を通してしか世界は見えなかった。

 かつては楽しかった事が、突然楽しくなくなった。 
 その犬は僕の食欲を奪うのが好きだった。
 その犬は僕の記憶や集中力を噛み砕いた。


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 何をするにも、どこへ行くにも、その犬がいると、超人レベルの気力が必要だった。人が多くいる場所では、僕の”自信”を嗅ぎつけ、追い払ってしまう。

 僕が一番恐れていることはこの黒い犬が人に見つかること。
 見つかったら、きっとみんなから批判されるから。


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 黒い犬は僕の恥だった。犬を飼っていることが誰にもバレないようにと、いつも余計なエネルギーを使って犬を隠していた。感情を押し殺し、嘘をつくのはとても疲れることだった。

 黒い犬は僕にネガティブな考えや言葉ばかり運んできた。
 黒い犬は、僕をイラつかせ、他の人といるのが苦痛になった。
 犬は僕から愛を奪い取り、愛情表現を土の中に埋めてしまった。

 黒い犬の好物、それは絶え間なく僕にネガティブな思考を植えこむこと。また、次の日がどれだけ大変で疲れる日になるかと僕に思い知らせることだった。

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 黒い犬がいるということは、ちょっと落ち込んだり、悲しくなったりする、というものではない。最悪の場合は、何も感じなくなるのだ。

 僕が大きくなるにつれ、黒い犬も大きくなっていった。そして、常に僕のそばにいるようになった。

 どうにかして、黒い犬を追い払おうとしてみた。
 でも、たいがい勝つのは黒い犬だった。
 何度も立ち上がって戦いを挑むより、落ちていく方が楽になった。

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 だから自己流に解決するのが得意になった。
 けれど、実際に効果はなかった。
 やがて、自分が周りの人や物から切り離され、
 孤立していると感じるようになった。

 ついに、黒い犬が僕の人生を支配するようになった。生きる楽しみがなくなると、なぜ生きているのか分からなくなった。


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 もうこれ以上は無理。僕はこれを機に専門家へ助けを求めた。なんとこれが効いた。回復へむけての最初の一歩となり、僕の人生における大きな転機となった。



黒い犬を恐れるな、そいつはザコでどこにでもいる。

 そこで学んだことは、彼らはどこにでも現れる雑種だということ。この世界の何百万という人が黒い犬と生きている。自分に欠点があったり、特別な理由があるから黒い犬がいるわけではないのだ。

 また、効果100%の魔法の薬なんかもないということが分かった。瞑想が救いとなる人もいるし、他の方法が必要な人もいる。人によって治療法に違いがあるのだ。

 そして、黒い犬を飼っている者同士で話し合い、情報を共有することで気持ちに大きな変化が現れるということ。

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黒い犬を飼い慣らす方法

 一番大事なのは、黒い犬を恐れて必死で逃げようとするのではなく、飼い慣らしてやればいいのだ。

 疲れやストレスが溜まるほど、黒い犬は大きな声で吠えてくる。
 そんな時は自分の心を落ち着かせるのが大切。

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 軽度から中等度のうつ病には、定期的な運動も効果があると臨床的に証明されている。外に出て歩いたり、走ったりすれば、犬はついてこれなくなる。

 感情を綴った日記をつけるのもいい。思った事を紙に書くと、心の浄化効果にもなり自分を見つめるよい機会にもなる。また、感謝したことも書き留めておこう。

出典: karapaia



 そして、最も重要なこと!

 どんなに状況が悪化しようと、ポジティブな行動を起こしたり、適切な人に話すことで、黒い犬もそのうち姿を消すということ。

 黒い犬に感謝しようとは思わないが、この犬は僕の偉大な先生である。自分の人生を見つめ直し、もっとシンプルに生きるよう教えてくれているのだ。問題から逃げるより、問題を受け入れ包み込んだほうがいいんだと教えてくれているのだ。

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 黒い犬はずっと僕のそばにいるかもしれない。
 でも今は、昔のように怖い存在ではなくなった。

 僕たちはお互いを理解できたから。正しい知識を得て、自制心やユーモアを餌として与えてやることで、野獣のようだった黒い犬も、徐々に言うことを聞くようになった。

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 もし苦しんでいるなら、誰かに助けを求める事を恐れないで。助けを求める事は決して恥ずかしいことではないのだから。恥ずかしいのは人生を台無しにすることだ。そしてまたまわりにいる人々も、彼と彼の心の中で暴れている黒い犬の存在を理解してあげてほしい。



translated melondeau / edited by parumo

記事提供=カラパイア
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