悩みを「100%引きずらない」は無理!引きずらないための習慣 (2/2ページ)

Suzie(スージー)

仕事中にも帰宅時間や余暇のことを少しは考える、プライベートでも、大切な案件のことはアタマに残っている、それが現実だということ。

そのような考えを軸に、むしろ、数ある悩みのなかから「引きずってもいい」ものを選ぶというやり方があってもいいと著者。すべてを引きずらないというのは困難な話で、現実的ではないからです。

そして、そのようなチョイスができたなら、すでに心のなかに余裕が生まれている証拠でもあるといいます。

いいかたを変えれば、「引きずってもいい」というのは、未来を向いている態度。なぜなら「引きずる」自分を許してあげているから。

■引きずってもいい4種類の悩み

ところで、人間の悩みは、たった4つしかないという説があるのだそうです。それは(1)人間関係、(2)金銭問題、(3)健康問題、(4)未来のこと。

なんとなく納得できる話ではありますし、著者のフィールドである精神科の診察室での悩みも、この4種類がほとんどなのだといいます。

そして著者は、この4種類の悩みに関しては、「引きずる」ことを許してもいいと考えているのだとか。

それには根拠があるようです。

職場の人間関係がこじれている人はもちろんのこと、リストラによる生活苦、がんを告知されたあとのショック、自分自身の将来の不安など、数々の悩みをたくさん聞いてきたからこそ、こうした思い悩みは「引きずらない」ほうがおかしいと思うのだそうです。

いっぽう、「こんなことは絶対に引きずらない」「気持ちを切り替えたい」というものも、ひとつくらいは決めておいてもいいといいます。

たとえば、プレゼンで失敗した、会話で場違いなことをいってしまったなど、その日のうちに片づけてしまいたいモヤモヤについては、「引きずらない」と決めてしまうほうがいいということ。

そして4つの悩みに関しては、「仕事は家に持ち帰らない」「プライベートは職場に持ち込まない」などと無理にオンとオフとで割り切ろうとするのではなく、家族や職場の同僚などに話してみてもよいといいます。

ただし当然のことながら、家で仕事の愚痴ばかり、職場で家の不満ばかりになってしまうなど、極端にならないように気をつける必要はあるでしょう。

豊富な経験を軸として書かれており、しかも語り口がソフトなので、無理なく受け入れることができる内容。

「ついつい引きずってしまう」という方には、ぜひ読んでいただきたいと思います。

(文/書評家・印南敦史)

【参考】

※西多昌規(2016)『「引きずらない」人の習慣』PHP研究所

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