フジテレビが誤報連発?崩壊する制作現場の実態

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過剰な経費削減が原因か?
過剰な経費削減が原因か?

 かつての栄華も今や昔──視聴率下落が止まらず、2015年には開局以来始めての営業赤字に陥ったフジテレビ。今年に入ってからは、視聴率どころか、番組制作能力さえも疑わざるえない事案が相次いで起きている。局員がため息混じりに語る。

「通常ではあり得ないミスが続いています。1月28日放送の『ヒデ&ジュニアのニッポン超安全サミット』では、ネットから拾った日本地図を使用して謝罪するハメになりました。四国がオーストラリア大陸になった日本地図を使ったんですから、言い訳もできない。また、2月27日放送の『めちゃ2イケてるッ!』スペシャルでは、“三ちゃん”こと三中元克のレギュラー存続を賭けた国民投票が終わる前に、番組ホームページで『三ちゃん不合格残念会』のバナーが表示されてしまった。番組制作スタッフとWebチームの連携不足もさることながら、これではヤラセが疑われても仕方ない」

 バラエティ番組だけでなく、報道番組でも立て続けにミスを連発している。

 2月22日の『FNNスピーク』にて、「殺鼠剤(さっそざい)」を「ネズミ駆除の殺ちゅう剤」とテロップ表記。2月21日の『みんなのニュース』では「六代目山口組」の最高幹部逮捕を伝えるニュースの最中に清原容疑者の映像を間違って流してしまい、伊藤利尋アナウンサーが謝罪する始末。いずれも凡ミスだが、報道であってはならないことが立て続けに起きているのだ。

「ダメ押しが、『めざましテレビ』ですね。ゲームイベントの取材中、一般人と間違えてSONYのSCEワールドワイド・スタジオ代表の吉田修平氏をインタビュー。ゲーム業界の重要人物を一般人扱いしたこの放送は海外でも話題となり、世界から嘲笑を浴びました」(前出の局員)

■過剰な経費削減が原因?

 立て続けに起こるミスの原因は、何かあるのか。番組関係者に聞くと、まず理由に挙がるのが過剰な経費節減だ。

「フジは視聴率低下に伴い、過度な経費削減をしています。社員のコピー代、駐車場代だけでなく、出張費がかかる地方取材の禁止、通訳は専門家ではなく学生バイトを使ったりもする。下請けの制作会社には安いギャラで無茶な要求をするようになっている。昨年12月には、『Mr.サンデー』など、主にフジに報道やドキュメンタリーを制作していた制作会社・株式会社こころが破産開始決定を受けました。ギャラは下がる一方で、企画や制作は丸投げされるため、フジテレビを主要取引先から外す制作会社も出てきています」

 経費削減に伴うスタッフの士気の低下、番組制作の土台となる制作会社は逃亡。仕事量は増える一方で、現場からは断末魔に近い悲鳴が上がっている。これでは細かいチェックに気が回らないのもわからなくはない。

 さらにフジテレビは、人材でも問題を抱えている。

 コネ入社が多いテレビ業界の中でもフジは特に多く、「全盛期は社員の1/3ほどがコネ入社だった」とさえ言われている。それが現場の人事にも悪影響を与えている。その一例が、3月1日付で発表されたA女史の人事だ。

「彼女は『ホンマでっか!?TV』『アウト×デラックス』『さんまのお笑い向上委員会』などを仕切る、バラエティ班で数少ない結果を出していた人材でしたが、管理職に異動になります。後任は経験の少ない若手女性社員。現場からは『なぜ?』と不満が出ている。この不可解な人事を断行したのがコネ入社で現在も強いコネを持つB氏です。実績もない彼女を抜擢したB氏の“おもいつき人事”に、いままで必死にやってきたスタッフはやる気をなくしている。経験が少ない人間が現場を仕切ってもうまく回るはずはなく、番組の質は低下する一方です」(前出の局員)

 4月末で退社する加藤綾子アナウンサーも、フジの待遇に嫌気がさしてと噂される。会社の基盤となる人材に深い闇を抱えるフジテレビ。今のフジに必要なのは、経費削減や視聴者を引きつける面白い番組ではなく、番組制作に関わる人間への配慮ではないだろうか。

海保真一(かいほ・しんいち)
1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。実話誌や週刊誌などで執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『実録!アメリカの陰謀』『格差社会の真実』(ともに宙出版)ほか多数。
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