破綻したワイン投資詐欺『ヴァンネット』に群がった著名人|やまもといちろうコラム (2/3ページ)

デイリーニュースオンライン

■”ワインファンド”に名を連ねた著名な面々

「詐欺に引っかかって困惑されてるところをすみません」

「いやー、さすがに怒り心頭です」

「不動産の賃料収入で儲かったあぶく銭が詐欺で消えてしまって感無量です」

「私だけでなく、(自粛)さんや(自粛)さんも被害に遭ったということで」

「どのくらい返ってこなさそうなんですか?」

「私個人は4,000万ぐらいです」

「ざまあ」

「何とでも言ってください…」

「あれ、反発力が弱いですね。煽ってすみませんでした。そもそものきっかけは何ですか」

「内藤さんの著書や講演を聞いたことがあって、不動産投資で参考にしていたのですが、彼がワインファンドとして『ヴァンネット』を薦めていたので手がけることにしました」

「貴殿はそれほどワイン飲む方でしたっけ」

「私は酒を飲みませんが、家内が高級な酒を少しずつ嗜むのが好きで、また買い付けツアーなどしっかりとしたアテンドで海外のワイン事情を知ることができるというのは興味がありまして」

「下戸なのにワイン投資に手を出して失敗して法的措置とか、何の冗談ですか」

「儲かるし、楽しいって感じだったんですよね」

「本当に怒らないとか、マジ凹みしてますね」

「へこんでますとも」

「でも、どういう理由で投資継続していたんですか。途中でおかしいと思ったことは」

「そもそも私は、内藤さんの本を読んだりして影響を受けたのも事実ですが、ヴァンネットに投資している人たちはそれなりに横のつながりがあったんです」

「投資家同士のネットワークのようなものですか」

「はい。なので、私以外の不動産管理業者や、大手上場企業の元取締役など、投資家の繋がりがワインを通じてできるというのは、ワイン投資そのものよりも大事だと思っていた時期がありました」

「結構この界隈で大物とされる(自粛)さんも投資家の一人だってメールに書いてありますね」

「11年に参画された方で、何よりワインがお好きだというので入会され投資もされていたと聞いています。私もこんな著名な方も投資されているのなら、ますます良いファンドなのだと思ってしまった面はありますね」

「でも、利回りの報告書や投資先の細目はあまりきちんと開示されていませんでした。それでも信頼できると思われたんですか」

「(自粛)にある著名なラウンジやワイン貯蔵施設の視察で会員同士で情報交換をしている際には、投資実績が不審だという人もいたんですけど、以前配当は出ていたんですよね」

「このボルドーワインの蔵元や、もともとのワイン所有者から発行されているインボイスに変な点は無かったんですか」

「いや『変だ』といって降りた投資家の方はいました」

「なるほど」

「実際に、この方と内藤さんが内藤さんのバーで話し合っているのに同席したことはあるのですが、私はそのとき『この方が資金に詰まっているだけなんじゃないかな』と」

「結果としてその投資家が正しかったわけですね」

「や、その人は昨年暮れに破産されました」

「ヴァンネット関係なく駄目じゃねーか」

「そうですね。でも、ヴァンネットに投資をしている客層自体はそこまで悪くないんですよ。だからこそ、あの人もやってるならばと安心してしまったんですよ」

「そこに内藤さんも深く関与されていた?」

「実は私自身はそこまで内藤さんと深くお話しする機会は無かったのです。お会いしたのは10回以上ありますが、他にも人がいる場ですし、個人的な付き合いでヴァンネットや投資について話をした経緯はありません」

「じゃあ単に内藤さんは広告塔として担がれただけなんですかね」

「行政処分が出た去年の暮れ前に、財務局から反面その他調査が入ってまして、きな臭いと思われたタイミングで前代表の北田朝雪さんに(自粛)さんたちが弁護士連れて相談にいったことがありまして」

「現代表の高橋淳さんではなく?」

「このあと公判で明らかになると思いますが、後から聞いた話ではこの高橋さんというのはワインに詳しいだけでファンドの実務は何もしていなかったとのことでした」

「じゃあ普通に黒幕がいる話ですね。北田さんはその前にコンサルティングアルファで関東財務局に行政処分を食らって廃業してますよね」

※参考
株式会社コンサルティング・アルファに対する行政処分について

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